レボリューショナリー・ロード


昨日の昼に『レボリューショナリー・ロード』鑑賞。

自分に非がある事でケンカしたとして、自分が彼女に対して、謝ったとする。それでもずっと彼女が不機嫌で、なんで不機嫌なのか男には分からない。「なんでこいつはオレがこんなに謝ってるのに許してくれないんだ」と。さらに理詰めで自分の悪い事を説明しつつ、それで許さないのはおかしいと彼女を責める。それでも彼女の機嫌はなおらない。「許さないから、気まずい時間がずっと流れるじゃん!もう!それだったらとっとと許して、元に戻った方がいいじゃん!」と思ってしまう事がよくある。
彼女はそういうレベルで怒ってないし、どーせ言っても聞かないでしょと言われてしまうのがオチだ。

『レボリューショナリー・ロード』はそのケンカを何百倍にもスケールアップさせた壮絶な夫婦喧嘩バトルムービーである。とにかくデカプーとケイトのケンカ、ケンカ、ケンカ、そして一瞬の平和があり、最後に壮絶なラストというのが映画の流れだ。

オレは人を好きになる事と、人と付き合って行く事は違う事だと思っていて、人を好きになる事はなんぼだって出来るわけですよ。だから浮気とかすると思うし、つーか、Mr.Childrenも『LOVE』で歌ってるし。って、こんな事を書くと怒られそうだが(汗)付き合って行くうえで、どっかで、好きだからしょうがないや、とか、我慢してしまう事もあるわけで、とどのつまり人と付き合うというのは、相手の価値観を譲歩しあう事だと思うんですよ。

『レボリューショナリー・ロード』では、その我慢とか、世間体とか、理性とか、生活とか、金とか、会社とか、仕事とか、子供とか、ぜーんぶとっぱらって、じゃあ、夫婦で居る事って何が正解なんだよと、男は資本主義に飲まれて、本来の男である事を忘れて、くだらない仕事をし、女はご近所付き合いをしながら子供を育てて旦那の帰りを待つ。これが夫婦で居る事なのかと。

イレイザーヘッド』も『モンスターズ・インク』も出来ちゃった結婚の恐怖、子供が出来てしまった男の恐怖、子供がこれからの生活を脅かすといった恐怖を描いてたけど、『レボリューショナリー・ロード』はもっとそれよりも先の問題にブチ当たるから映画には子供の存在があっても描かれてない。そこも好きなところだったり。

アメリカン・ビューティー』でも、ジワジワ崩れさる家庭を描いたサム・メンデスだが、どこかポップだった『アメリカン・ビューティー』とは違い、完璧な美術、完璧な衣装、完璧な音楽に加え、主演二人の極限の演技と、その極限の演技を最大限に引き出した演出で2時間まったく飽きさせない作品になった。映画としてはものすごい傑作なんだけど、これ、男にとっては辛いっすよぉ。いや、女の人にとっても辛い映画なのか。見方間違ってるかもしれないけど、ケンカした時になかなか彼女の機嫌が直らない男子諸君は必見です(笑)

んで、これから結婚する気マンマンな方、愛こそはすべてだと思ってる方、男が浮気するなんてさいてーって思ってる方は絶対に観ない方がいいです。警告しましたからね。あういぇ。