『レッドクリフ Part2』を観たぜ!


23時よりプレス試写で『レッドクリフ Part2』鑑賞。『ウォッチメン』の試写に行けなかったので、『レッドクリフ』は絶対に逃す訳にいかんだろう。まさか『ウォッチメン』よりも早く観る事になるとは思わなかった。

三国志でも、銃が刀になっても、まぎれも無いジョン・ウー作品だった前作よりも今回の『Part2』はジョン・ウー印が濃い。『狼/男たちの挽歌・最終章』や『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』に並ぶ、純正なジョン・ウー。ファンならば「いよっ!待ってました!」と叫ぶ事必至の超絶な傑作に仕上がっている。

ぶっちゃけ、冒頭から見せ場連発だった『Part1』に比べると、仁義や友情などのドラマ部分に比重が置かれ、始まってから1時間半くらいはアクションが無い。だが、ここもジョン・ウーのショーケースで、『男たちの挽歌』や『狼』『ハード・ボイルド』で観た事あるようなシーンが三国志の中で連発される。敵対する者同士が呼応し合い、仁義という言葉が連発され、男と男の熱い友情がスクリーンを彩る。大凡、西洋人には理解されないような浪花節的な要素で男の魂を熱く焦がしていく。しかも、今回はティ・ロンレスリー・チャンの役割をあのヴィッキー・チャオが担ってるのだから、なお驚く。

そして、前作で見せなかった、赤壁の戦いだが、ここはハッキリ言ってジョン・ウー映画史上最高のスペクタクルと言っていいだろう。『男たちの挽歌』と『ハード・ボイルド』の病院の撃ち合いを足して、『プライベート・ライアン』の撮影と『戦争のはらわた』の編集を組み合わせ、『七人の侍』風味にしたくらいのド迫力シーンで、この赤壁の戦いを引き立たせるために余計な戦闘シーンを排除したように思える。

CGを使ってはいるが、ワイヤーワークは冴え渡り、銃の突きつけ合いならぬ、刀の突きつけ合いが出てくるわ、最後の最後に『ハード・ボイルド』のラストをやっちゃうわ(しかも、同じくトニー・レオンだ!)、とにかく、ジョン・ウー映画で観た事あるようなシーンが連発され、集大成的な作品になってるのは間違いない。しかも、それが何十倍もパワーアップしており、文章で表せないほどの凄まじさ。スクリーンで観ないと意味がない、そして、スクリーンでやる意味があるような映画的な興奮がこれでもか!これでもか!と繰り広げられる。

つーわけで、三国志の映画化はジョン・ウーに任せてよかったと本気で思える傑作に仕上がってて、ファンとしてはかなり嬉しかった。過去のジョン・ウー作品を観ていると、感動もひとしおだと思います。あういぇ。