バンコック・デンジャラス


11日朝
『バンコック・デンジャラス』鑑賞。

ぼくは『トランスポーター』という映画が大好きなのだけれど、この映画を見た時に思ったのが、お前!プロとして失格だろ!という事。主人公は運び屋で、裏家業のプロとして必ず破ってはならないルールを自分で決めているのだが、『トランスポーター』では、そのルールをいきなり破りまくって、勝手にトラブルに巻き込まれて行く。

ニコラス・ケイジ主演の『バンコック・デンジャラス』も『トランスポーター』と同様に、自分の中に4つのルールがあるのだが、それを何の意味もなく破りまくる。一流の殺し屋で何に対しても抜かりないのに、引退間近でちょっと物思いに耽ってるのか、いきなり弟子を取るわ、恋愛までするわ、殺し屋ムービーとしては出来が悪い。人間味溢れるキャラじゃないと企画が通らなかったのか、その辺の事は分からないのだが、まずその辺から入って行けなかった。

もちろん、各シーンが作り込んであれば、そんな事は気にならないのだが、『バンコック・デンジャラス』は脚本も演出もダメである。一番気になったのは恋愛のシーン。「お前の考える恋愛の発想ってホントに中学生の女子並みなのな!」と言わんばかりで、ニコラス・ケイジのニタニタした顔もあいまって、作品自体のムードをぶち壊しにしている。これだったら『百万円と苦虫女』の恋愛シーンの方が五億倍リアルである。

脚本とドラマ部分の演出は首をかしげてしまうのだが、アクションシーンの演出は素晴らしい。今までのジョン・ウーもどきを全てぶっ飛ばすくらい革新的で昔気質の本格アクションである。スローモーションを使う事無く、無骨にスタイリッシュに、アクションというのはこうやって撮るもんなんだという心意気と、今までにないアクション映画にしてやるという気迫がみなぎっていて、小気味良かった。それに合わせたのかどうかは不明だが、映像のトーンも色を全体的に落としていて、モノクロっぽい雰囲気を漂わせている。血も出るし、人体破壊も飛び出してサービス満点だ。

『バンコック・デンジャラス』はリメイク作という事もあって、元の映画を観てないから勝手な感想ばかりつらつら書いたが、タイのロケーションとアクションの革新的な演出は買う。それ以外はホントにホントにお粗末な出来なので、ぶっちゃけ次回作に期待したい。それでも全てを CGでゴテゴテして、中身が全くない、あのPVみたいな時代劇よりは、全然好感が持てるけどな!

11日昼
俺と悪魔のブルーズ』の2巻を読んだのだが、まったくRJと関係ない話になってしまっていた。それでも、確かにこのマンガはおもしろい。先が気になるし、ディテールがしっかりしているので、フィクショナルな方向に行っても、すごく空気感がドッシリとしていて、リアルである。それにしても4巻で打ち切りとは、ホントにこういうマンガ読まなきゃダメよ。

職場の後輩と新津のブクオフと万代書店を巡る。しりあがり寿のマンガを数冊と西本アキラのギャグマンガ井上雄彦の『カメレオン・ジェイル』の完全版を購入。これに『スラムダンク』の前日談であるマンガが収録されてた。あの流川くんが中学生の時の話。さすがに『スラムダンク』芸人でも紹介されてなかったから読んだ人があまり居ないのかもしれないなぁ。

後輩は『BUZZER BEATER』を買ってたが、オレぶっちゃけ『スラムダンク』よりも『BUZZER BEATER』の方が好きなんだよね。傑作じゃないし、周りに読んでるヤツだって全然居ないけど、オレはこのバカバカしさと、実験精神と、絵のタッチを買うよ。

BUZZER BEATER』は元々ネットで連載してたマンガで、今でも読めるようなので、『スラムダンク』とか『リアル』とか『バガボンド』読んでるヤツはちゃんと『BUZZER BEATER』も読めよな!

http://www.itplanning.co.jp/bbimages/body.img/B0/FBEAT0.HTML

ミクシィのコミュの人数見たら、『スラムダンク』は20万人以上も居るのに『BUZZER BEATER』は1200人しか居ねぇんだもん!あういぇ。