ラスト・ブラッド


4日朝
ラスト・ブラッド』鑑賞。

BLOOD THE LAST VAMPIRE』は日本のアニメで好きな1本に入るくらい個人的に思い入れの強い作品で、ウォシャウスキー兄弟が「フランシス・ベーコンの絵画が動き出したようだ」と絶賛するくらいの映像美にぼくもノックアウトされた。技術的にそこまで進歩してない段階での2Dと3Dの融合だが、今思うとその不完全さが良いという感じで、マッチングに成功しすぎてる昨今のアニメよりも手作り感が映像から伝わって来て、何度も何度も観てしまう。

ラスト・ブラッド』はその実写版っつー事で、世間的にはかなり酷評されてるんだが、、、

ぶっちゃけ、嫌いになれない作品。

ハッキリ言えば、カスみたいな脚本で、下地になってるアニメ版に付け加えた要素がぜーんぶいらなかったり、回想シーンが浮いてたり、小雪の役がどういうポジションなのか分からんとか、何で人間なんてどうでもいいと思ってるサヤがアリスを助けたのかとか、細かい所なんてどうでもいいだろ?みたいな感じが非常に鼻に付くし、それだけでなく、クリーチャーのデザインにはやる気を感じないし、倉田保昭の立ち回りもどうでもよかったり、逆にアニメ版でしっかり描いていた部分がホントにどうでもいい感じでスルーされていたり、『GOEMON』同様、重力無視、キャラクターのパワーの配分の分からなさが露呈してしまうアクションシーンには「ああ、またかよ」とか思ったりもして、マイナス要素が多いんだが、、、

アクションシーンの多さがハンパじゃなく、そこが気に入った!

ラスト・ブラッド』はアクションシーンがてんこもりでサービス精神が旺盛だ。70年代の日本の箱庭感をCGとセットで完全再現し、押井作品を思わせるエスタブリッシングショットの美しさはオリジナルの精神を引き継いでいて、そこで繰り広げられる中盤の大殺陣には興奮した。良く出来たセットなんだけど、そのセットを力の限りを尽くして破壊しまくるんだからね!

これでもか!これでもか!と沸いて出て来るバンパイアをセーラー服のねーちゃんがずぶ濡れになりながら、叩っ斬る!手足や首はポンポン景気良く飛ぶし、顔や胴体ごと真っ二つにする人体破壊の数々は、PTAの連中の感情を逆撫でにする事必至で、それだけでなく、血もブシュブシュ飛び散る!これだけでオレは大満足だ!

屋根から屋根へぴょんぴょん飛び回り、アナログ感満載のワイヤーによるアクションはCGで飛ばすよりも好感触。崖に落ちたトラックの上で戦うところもホントに重さを感じない軽いアクションで、嫌な人には嫌なんだろうけど、その辺とかも好きだ。

あと、主人公のサヤを演じたチョン・ジヒョンがマジで可愛かった!アクの強い寺田克也の絵から、よくここまでのキャラクターにしたなぁと心底感心した。

つーわけで、あまり強くおすすめ出来ないものの、中盤のバンパイア100人斬りだけは見応えあったなぁ、あういぇ。