G.I.ジョー


昨日の昼11時半から『G.I.ジョー』鑑賞。なんで、今日に投稿しているかというと、昨日の夜に一人でビールとウイスキーをしこたま飲んで、気絶してたからなのであります。

G.I.ジョー』と聞いて、思い出したのは『トランスフォーマー』だ。両者とも玩具からアニメになり、そして実写化されたという事で、『トランスフォーマー』が当たったから出て来た企画なんだろうなぁというのは想像に難しくない。

内容といえば、やれ極秘任務だの、国家機密がどーしただの、世界が破滅しかねない武器を奪いあっただの、今までに何百万回と作られて来たクリシェの塊で、事件の黒幕しかり、ホントに何のヒネリもない、脚本だけならむしろ水準以下とハッキリ言える。

ところが『G.I.ジョー』――――これが、すっげーおもしろかった。今年のこの手の映画であれば『T4』や『トランスフォーマーリベンジ』よりも興奮した。スティーブン・ソマーズに漂う良い意味でのB級感と、最新CGが見事に合致したような快作になっていた。力とスピードが格段に上がるパワードスーツや、隊の中のエースであるニンジャ、常に半分くらいおっぱいを出してる悪女など、確信犯的に中学生男子を喜ばせるためのガジェットがてんこ盛りで、しかも余計な説明は一切無い。各キャラクターに何があったかというのは、全てフラッシュバックによる演出で無理矢理分からせるというのもビールを飲みながら観るには申し分ない。

G.I.ジョー』を観て個人的に感動したところが三つほどある。

まず、『G.I.ジョー』は作品とは大凡関係なさそうな『ハムナプトラ』を彷彿とさせるセットと衣装で幕を開ける。武器商人が敵にも味方にも武器を売ったという事で罰せられるシーンなのだが、その罰というのが、燃えさかる鉄仮面を顔面に付けられるというもの。スティーブン・ソマーズの作品を見続けた者にとってはたまらないシーンだ。ホントにこの人はこういうの入れないと気が済まないんだなぁと思っていたのだが、どーもこれはオリジナルにもあった設定らしい。しかも、これわざわざ映像化しなくても作品にはなんの影響もないというところもソマーズっぽい。

そして、なんと言っても、中盤のパリでの大暴走シーン。燃えた。マジで燃えた。パワードスーツを着た主人公達が、走って来る車の上を飛び越えたり、ミサイルをかわして爆破したり、ビルを突き抜けたり、ホントに凄まじかった。CGを使ってるんだろうが、ホントにどうやって撮ったんだ?と素直に思った。トドメにエッフェル塔が倒れて来るというおまけまで付いていて、ここだけはマジで1800円払ってでも映画館で観る価値がある。

最後はやはりクライマックスだ。正直、パリのシーンがすごすぎて、インパクトに欠けるものの、ミサイル撃墜とニンジャ同士の格闘と主人公の水中戦を3つ同時にカットバックで進行させるというとんでもない展開で、意外と分かりやすかったのにも驚いた。大味な演出という印象が強いソマーズだが、こういう事をさせたら意外と上手いんじゃないか?(と、思ったが、これ編集の力じゃん)

というわけで、物語のつじつまなどどーでもいいとばかりに迫力のアクションばかりをてんこ盛りにした『G.I.ジョー』は『トランスフォーマー』や『アイアンマン』に燃えた中学生男子は必見!!という感じになっております、あういぇ。