映画版『フロム・ヘル』を観ました。

フロム・ヘル』鑑賞。ジョニー・デップヘザー・グラハム大好きなくせに観てませんでした。すいません。

こちらでも書いたことなのだけれど↓

『フロム・ヘル』はコミック界のモンスターだ! - くりごはんが嫌い

あの濃度の原作をまるまる映像化するのはかなり難しいんじゃないかと思ったし、正直、あまり評価されてる様子もなかったので、軽く構えて観たのだが……ん?あれ?なかなか良くないか?少なくとも『MW』や『BALLAD』よりは遥かに良いぞ。

確かに余計なラブストーリーは入り込んでいるし、犯人側からの視点も重要なのにバッサリ切ってミステリーの要素を全面に押し出してしまったことで、妙に軽い映画になってしまっているところは否めない。終わり方も無理矢理っすねぇという感じで、原作を読み込んでからだとマイナス要素は多いが、ハッキリ言って全体の雰囲気は悪くない。むしろかなり良い。

19世紀のロンドンを『バリーリンドン』ばりに再現した絵画的な映像は美しく、冒頭の長回しで一気に引き込まれる。クレーンショットやCGを駆使した、凝りに凝ったカメラワークは奇を衒っているというよりも優雅で、小道具の一つ一つ、照明から、衣装、セットの質感まで完璧で、全てのシーンが観る者を圧倒する。少なくても『三丁目の夕日』よりも街として機能しているではないか。

それだけでなく、原作から削られるだろうと予想していた、セックスや血なまぐさい殺人もしっかり出てきて、エレファントマンもこれみよがしに登場するあたり、原作に思い入れがある監督とみた。後半こそ違うが、原作に登場するエピソードを丸々なぞってるシーンも多々登場したり、メジャーな映画ではギリギリの描写を狙ってるような感じで、これ映画としてはかなり良いぞ!

確かにジョニー・デップは男前過ぎるし、娼婦も美人揃いで、キャストには若干の難ありだが、肌の質感まで感じられるように美しく撮り、おっぱいも見られるのでその辺で満足。

にしてもジョニデは何故この役を引き受けたのだろう。だって、これ『スリーピー・ホロウ』と若干かぶってないか?

あと、ぶどうって当時高級品だったのな!知らなかった。ぶっちゃけ『パンズ・ラビリンス』で、あの子がぶどう食べちゃうシーンがよく分からなかったんだけど、もしかしたら、ぶどうが高級品だったって名残なのかも。

あと、42型のプラズマテレビを購入した。土曜の15時以降に届くわけだが、とりあえず、今までに買ったDVDはどうしよう、やっぱり売るべきなのだろうか。ブルーレイが普及し始めたら、値段もガクっと下がるんだろうなぁ……あういぇ。