私をスキーに連れてかないで!『フローズン』

『フローズン』鑑賞。サービスデーでもないのにボチボチ人がいた。

リフト代をけちって係員に袖の下を握らせ、格安でスキーを楽しむ三人の男女が最後の滑りを楽しもうとリフトに乗り込む。ところが地上15メートルくらいまでのぼったところで急にリフトが停止し、ナイター用の電気も落されてしまう。スキー場は週末まで営業しない!このままここにいたら凍え死んでしまう!でも高すぎて飛び降りることは出来ない!さぁどうしましょう!というお話。

リフトに乗ったら止まってしまって、そのまま降りれないというシチュエーションは今までにありそうでなかったので、そこから映画を作ろうとした着眼点は圧倒的に正しく、しかもリフトに取り残されてしまう状況になかなか説得力があり、大人や自然をナメてるとこういうことになるという因果応報的な展開や、ほんらいならば男二人で楽しむはずのスキー旅行に勝手に彼女がついてきてしまったがためにこんなことになってしまったんだという伏線、さらに金もそこそこ持ってそうな学生がホントに喋りそうなどうでもいいセリフ回しがタランティーノシンドロームに犯されてないところなど、正直特出した点がかなり多くその部分においてはかなり評価出来るっちゃ出来る。

ただ、そのシチュエーションにむかうまでの時間とリフトで宙ぶらりんになってからの展開に若干のもたつきがあり、非常に惜しい印象をもった。リフトから降りれないという設定が一長一短で、成す術がないことを悟ったらあとはダラダラと喋って過ごすしかないので、絵的にあまり変化がなかったこともダレた要因のひとつだろう(それでもいろんなところから見せたりしてかなり頑張ってはいた)。それでも怖いところは怖かったので、もしこれが巧みな緩急でもって、怒濤の展開で最後まで見せられたら、映画を観ながら死んでしまうんじゃないかなぁと思った。それくらいここぞってときの見せ方はうまかったのだ。意外とこれくらい緩和シーンが長く続いた方がリアリティがあって、まだ安心して観れるのかもしれない。

というか、この映画。それこそ『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』みたいな感じで撮った方がよかったんじゃないだろうか。三人が遺体で発見され、その内の二人は肉片/血まみれ/骨だけになっていて、一人はリフトの上でカチカチに凍っている。そこに一台のビデオテープが発見される………そこに映ってたものは……という展開の方が絶対におもしろそうじゃんか!そうすればこれ多分『パラノーマル・アクティビティ』よりおもしろかったと思うよ!

というわけで、残念なところもあったが、こういう映画がシネコンで公開されること自体素晴らしいことなので応援したい。新潟では12月3日までの限定公開!ビール買ってみんなでワイワイ見るのがおすすめだ!あういぇ。


関連エントリ

フローズン (aka.Frozen) ― ナマニクさんの暇潰し
http://namaniku.net/2010/08/08/frozen/

モフモフ喰われるシーン、オレも好きだなぁ。