漢!男!おとこ!激シブ!『メカニック』

『メカニック』をレンタルDVDで鑑賞。

ぼくの中でジェイソン・ステイサムガイ・リッチー作品からデビューした少しオシャレなナイスガイっていう印象しかなく、確かにかっこいいけど……みたいな感じで、さほど注目もしていなかったのだが、『トランスポーター』に出演してからは親近感沸きまくりで、いまや漢字の「漢」と書いて「おとこ」と読ませるような映画といえば――――ジェイソン・ステイサム

ってことで、近年ある意味で間違いない映画に出続けているのだが、その中でもこの『メカニック』はあまり観られてるような印象もなく、観た人もそこまで大絶賛しているわけではなかったので、なんとなくスルーしてしまい、こんにちに至るというわけ。あとリメイク作というのも食指が伸びなかった要因のひとつだ。オリジナルを観てないといけないんじゃないかという妙なうしろめたさが……

そもそも監督はサイモン・ウェストである。この男、コマーシャル出身ということもあってか、骨太で男子ウケするような内容に手をつけるわりに少しばかりチャラチャラしたところがあり、どうもそこが鼻について、率先して観たいと思わせてくれなかった。それでもイカつい男が総出演した『コンエアー』はおもしろかったけど。

まぁレンタルされていたし、なんとなく観るかってな感じで、なんの前情報もなく見はじめたのだが――――これが激シブ!!サイモン・ウェストのチャラついたテイストは塩ひとつまみ程度におさえられ、映像もアクションの見せかたもすべてがシブい!!かっこいい!!

意外とストーリーはシンプルなようで入りくんでいる。しかもあらすじ自体がネタバレになっているのでいっさい書けないのだが、まぁなんといってもドナルド・サザーランドである。

ジェイソン・ステイサムドナルド・サザーランドが対話するシーンが最初のほうに出てくるのだが、極端なクローズアップの切り返しで、監督が「もうこの二人の顔のアップだけおさえておけば、雰囲気とかどういう関係性なのかわかるっしょ?」と言ってるのが目に浮かぶ!それほどまでに完璧でここだけで映画はどういう方向にいくのかが分かったくらいだ。

冒頭のアクションシーンは一切セリフがなく、その後はナレーションやら、説明の少ない会話によって、淡々とプロの仕事が描かれていく。とあるなりゆきで弟子を取るハメになるのだが、経験が浅い人間が暗殺を遂行しなければならないシーンはハラハラドキドキの連続で、師匠と弟子の視点からも話が進み、まったく飽きさせない!全体的にモノトーンを思わせるような色使いなのだが、夜のシーンになるとセピアに色調が変わり、とにかく演出も映像もスコッチウイスキーのような深み!

地味に任務を遂行していくなぁと思いきや、後半は弟子と連携プレーのせいかミスを連発し、静かに終わらせなければいけない仕事が一瞬にして大銃撃戦に!血は吹き出る!容赦ない殺し方はする!あげくの果てにラストは――――これ以上は楽しみを奪いかねないので言うまい。

特にラスト付近の言葉少ないやりとりと展開はジョン・フランケンハイマーの大傑作『RONIN』を思わせ、非情な男たちの選択をただただこちらは見守るしかないというくらいの緊張感!ベッドシーンとおっぱいはあっても物語をダラけさせるようなラブロマンスは皆無!オトコ!オトコ!オトコ!とにかくすべてが渋い!

というわけで、ジェイソン・ステイサムファンは元より、漢の熱い物語が観たいという方に是非おすすめしたい。なんとサイモン・ウェストはさらに激シブ映画として男たちを熱くさせた『エクスペンダブルズ』の続編を撮るらしい!これはちょー期待!あういぇ。

メカニック ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]

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