あー!『プロジェクトA2』の人か!『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』
『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』をレンタルDVDで鑑賞。
かつて悪ガキとしてヤンチャに育ったチョンは、いまではすっかり虚弱体質な身体になっていた。チョンはその体質や見た目から上司にいびられながらも不動産会社で働いている。彼は会社からの命令で、土地の財産権を守るためにとある村へと派遣される。そこでとあるトラブルに見舞われた彼だったが、カンフーの使い手である飲んだくれのじじいに助けられ……というのが主なあらすじ……というかイントロダクション。
制作は香港を代表するトップスターのアンディ・ラウ。70年代香港映画のオマージュに満ちあふれており、キャストも往年のカンフースター集結ということで好事家にとっての香港版『エクスペンダブルズ』という感じ。なので方向性としては『カンフーハッスル』の路線であり、あの作品が好きなら間違いなく受け入れられる。少し縮小はされているが。
とはいえ、ジョニー・トーがいうように香港映画が格段に進化してることがうかがえ、ボンクラで病弱な主人公は「ウォンテッド」とまるで一緒だし、長い間眠ってた師匠が目覚めたが、時間がそのときから止まってる……という設定からはじまるギャグの連打は「グッバイ、レーニン!」で、ケンカしてる最中じじいにカンフーで助けられるというのはリメイク版「ベストキッド」や「蛇拳」を彷彿とさせ、それらが渾然一体となってるような映画であり、わりとシンプルながらも多面的で、ハッキリいってものすごくおもしろかった。監督はどこまで意識したのかわからないが、下地はオールドながらも新世代の匂いがプンプンしている。
タイトルバックはいわずもがなの『少林寺三十六房』テイストであり*1、原色の中を達人が演舞する。音楽は『ドラゴン怒りの鉄拳』を模しており、それだけでテンションがん上がりなわけだが、それに媚びておらず、しっかりとカンフーシーンは振り付けてあり、最近流行の早回しや短いカット割りはなし。殴られたときにアニメっぽくなるのはご愛嬌だが、これがまたなんともいえない良い味をだしている。
『カンフーハッスル』でも伝説の男として扱われていたブルース・リャンが今回『ベスト・キッド』におけるジャッキーのような役回りで登場。ぼくは観てるそばから「この人誰だっけ……見たことあるんだけど……」と敵対する道場主が思い出せなかったのだけれど、最後の最後で「あー!この人『プロジェクトA2』で最初にジャッキーに逮捕される悪役だ!」と気づいた。恐らくこのようなリアクションをする人は他にもいるはずである。それほどまでに見たことある感の役者たちが勢揃いだ。
というわけで、少林寺的ななにがしをずーっと観てきた人にとっては感涙ものの傑作。『エクスペンダブルズ』を観るような感じでビール片手に気軽にレンタルしていただきたい。ちなみに近所のビデオレンタル店ではそのタイトルもあいまってかつねに貸出中。それもうなづける作品であった。おすすめ。
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