7つの贈り物


9時15分より『7つの贈り物』鑑賞。予告編を見る限り、最後のオチがすごいみたいな扱いの映画だったし、各界の著名人がチラシに大絶賛の声をバシバシ載せてたので、ちょっと気になって観てみた。あと短めだったというのもある、それでも2時間越えるんですよ!ありえねー!!もっと100分くらいの映画を増やさないか?2時間も上映時間がある映画なんだから、2時間無駄無し!みたいな映画じゃないと割に合わねー!どあー!!

冒頭、いきなりウィル・スミスが今から自殺するという事を警察に告げるシーンから始まって、まったくの赤の他人に接触し続けるんですよ。んで、なんでそんな事をするのか、分からないわけです、観てる方は。その接触を図る人は、盲目だったり、DVに悩む子持ちの人だったり、心臓が弱い人だったりして、んで、その時点でなんとなく分かるわけですよね。ウィル・スミスがやろうとしている事は。だから自殺しますって言わさない方が良かった気がする。まぁ、それはいいとして。

『7つの贈り物』は台詞による説明が極端に少なく、ちゃんと映像で分からせる演出を多々していて、その辺はあまりハリウッド映画のムードじゃなくてよかったのだけれど、個人的に気になったのは、ウィル・スミスの過去だ。ウィル・スミスは死んでもいいやって思ってるわけですよ、妻を亡くして人生に絶望してるわけです。なんだけど、その絶望感が決定的に薄い。例えば、仕事の取引かなんかで、そこで酒飲んで酔っぱらって、飲酒運転による事故を起こして、子供を轢き殺してしまって、奥さんも「仕事仕事って言いながら、あんた仕事のせいで子供まで殺したじゃない!」とか言ってて、さらに殺した子供の親に自分の奥さんを殺されてしまったりとかして、そんで、その奥さんの中には自分の子供が居て、、、とかだったらまぁ分かるんですよ、そこまで絶望してたら、天国に近づくための贖罪という意味であのラストに至るのは納得なんですけど、別にあの程度の事で、、、いや、あの程度とか書いたら怒られるのかもしれないけど、過失による事故という部分がとにかく弱いんですよね。ぶっちゃけウィル・スミス、運悪かっただけだろ?みたいな部分が無きにしもあらずというか。。。うーん。。

あと、もっとアメリカの医療制度に踏み込んで欲しかった。低賃金で働く人の内情とか、税金を納められないくらい医療費が高くて、そのせいで、人がどんどん死んで行くみたいな部分をしっかり描けば、もっと内容のある映画になった気もする。つーか、その前に、結構ウィル・スミス金持ちっぽいんだから、そういう人に寄付とかもっとすればよかったんじゃないのかなぁ。あと悪人は助けないよみたいな部分も鼻に付く。まぁ、それは私がこういう性格だから気にしないでいただいて。

それからエピローグの短さも気になった。もっとエピローグ長くしないとダメなんじゃないのか?何故ウィル・スミスがああいう事をするに至ったのかの説明が無さ過ぎな気がするんだよなぁ。

きっと『7つの贈り物』ってあのオチから出発してるんですよ。あのオチにするにはどうすればいいか?どうすれば感動させられるか?という事から肉付けしていったような、そんな気すらする。自己犠牲の精神というか、究極の善行かもしれないけど、でも、それだったら、もっと方法はあるだろうし、あんまし心に響かなかったのが本心ですな。

一番イラって来たのがエンドクレジットですよ、

“プロデュース:ウィル・スミス”

オマエが制作してたのかよ!!!!

と言う事で、『7つの贈り物』はウィル・スミスが自分でこういう役を演じたいというところから出発したのかもしれません。それか脚本を読んで、オレが役をやるぞ!って言い出したのか。とりあえず『幸せのちから』が観たくなりましたよ、ある意味でね。なんか他にも文句がたくさんあったような気がしたが、あまり思い出せません。すいません。