『CASSHERN』が好きという人は『ブレラン』を観た事がない

仕事中に後輩と『スターウォーズ』の話になり、「『スターウォーズ』が好きなら『ブレードランナー』も観ればいいよ」と言ったら、「あ、その原作は読んでるんですよ、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』は、でも映画版は見てなくて」と返されて驚いてしまった。筋金入りのSFファンだったら分かるが、普通、原作から入るか!?しかも若いのに、なんてヤツだ。なかなか骨のある男だよ、まったく。

ぼくは『ブレードランナー』が大好きだけれど、何故か好きである事をふと忘れてしまう。「好きな映画は?」と聞かれた時に、多分『ブレードランナー』ってすぐに答えられない気がする。何故だ、何故なんだ。洋画のオールタイムベストを聞かれてもすっと思い出せないかもしれない。いや、でも好きなんですよ、もちろんマニアと呼ばれる人は周りに山ほどいるわけで、ぼくみたいな青二才が好きを公言するのはおこがましいですが、好きなんですよ。ちゃんとすべてのバージョンをビデオで買って、最終版のDVDも買って、BOXに行き着いてますから、つーか、あのBOXは元を絶対に取ってるほど観たぞ。ブルーレイ版も絶対に買うだろうし。成瀬巳喜男とか、ラス・メイヤーもそうなんだけど、死ぬほど好きなくせに、ふとその存在を忘れてしまうのは何故なんだろうなぁ。「そこまで好きじゃないんじゃないの?」とは違う何かなんだよ。ペキンパーとかレオーネとかキューブリックは常にぼくの中にあるものなのにな。

あ、ちなみにぼくが一番好きなバージョンはワークプリント版です。もはやビートルズ聞きすぎてアンソロジーが良いって言ってるようなもんだ。

『GOEMON』の試写をやったらしいが、話を聞くとよかったらしい。ぼくは「『CASSHERN』を好きというヤツは『ブレラン』を観た事がない」という説を展開してたのだけれど、今回も見事当てはまった。しかも、たいがい若い人が良いっていうんだよな。残念な事に『ブレードランナー』っていう映画は一回観ただけではその魅力をすべて理解する事は不可能。だからあまり「観た方がいいよ」とは人に言いにくい。大多数の人は一回観たらそれっきりだろうしさ、あういぇ。