「旧友と釣りに行く」と旦那が言い出したら、それはもしかすると……

夜中の2時から『ブロークバック・マウンテン』鑑賞。

超が付くほど美しい大自然を見事に収めた撮影と、ヒース・レジャーの演技がとにかく素晴らし過ぎる。しっかりと絵だけで見せるシーンにはちゃんとセリフも少なくなっていて、羊の大移動のくだりは『赤い河』を思い起こさせたりして、西部劇を見てるような気分にもなる。つっても、主人公カウボーイだけど。

それにしても、さすがアン・リー、『グリーン・デスティニー』でも、決して結ばれる事のない、運命的な大恋愛を描いていたが、『ブロークバック・マウンテン』も、それを拡張させたような印象がある。確かに悪人と呼べる人は一切出てこないし、『イージー・ライダー』のようにアメリカ南部のいかがわしい人々は登場しない。「障害がある恋愛は燃える」と言われてもいるが、その障害も映像の中にあるわけでもなく、もっと言えば主人公二人に退廃的な要素を感じなかった。だから『ブロークバック・マウンテン』は『ローマの休日』のようにファンタジーとして観るべきなんじゃないかなぁと、だって、ぶっちゃけ、主人公達ゲイじゃないはずなのに、なんで惹かれ合ってるのかよく分からなかったんっすもん。ブロークバックマウンテンで過ごした日々が人生で最高だったって、20年も引っ張るくらいか?って思ったりもした。それでも最後泣けたけど。

個人的にニクいなぁと思ったのは、セックスシーンだ。主人公二人の男同士のセックスと、それぞれが離ればなれになった後の、奥さんとのセックスがそれぞれ一回ずつ、しっかり描かれてるんだけど、いざ、これからだ!って時に、カット切れちゃうのよね!!!だからアン・ハサウェイが、ものすごく柔らかそうなおっぱいを見せてるのに、見せた瞬間にカット変わっちゃう!全部のシーンがそうだったから、アン・リーはわざとやってるんだろうが、その次の『ラスト、コーション』ではその鬱憤を晴らすかのように、セックスシーンを激しく描き、R-18になったというのがおもしろい。あ、ちなみに『ラスト、コーション』の本編は観てないっすけど、youtubeでセックスシーンだけ先に見てしまいましたすいません。もう動画は削除されてました。うえーん。

話がずれたが、もっと描き込めるだろうと思いながらも、2時間13分退屈しなかったし、泣けたので、なんだかんだで好きな映画でした。