ラスト7分11秒あなたは絶対騙される『パーフェクト・ストレンジャー』

10時に『パーフェクト・ストレンジャー』鑑賞。ラスト7分11秒あなたは絶対騙されるってヤツ。

けっこうこの手のドンデン返しは好きでね、どういう風にダマしてくれるねんって思いながら観るわけ。

まぁ観たけど…時間の無駄!!!無駄!無駄!無駄!無駄ぁぁぁぁぁぁ!!!!

ファビュラス・バーカー・ボーイズも言ってたけど、ミステリーって実は時間の無駄になるものが多くて、それは何故かっていうと、ドンデン返しにすべてを傾けてるからなんだよ。物語のすべてがオチに集約されるから、その間に思想もメッセージもなんもない。んで、気持ちよくダマされれば、あーおもしろかったってなるけど、もしそれを外したら1時間50分近くは完全に意味のないものになる。あれだけ待たせてそれか!みたいなさ、だから『ラ・ジュテ』は素晴しかったんだよ、短いし。

猿の惑星』はオチが見事な思想になってて、意味のあるものだったし、『スクリーム』はスプラッターホラーに犯人探しと意外なオチが待ってておもしろかった。『ワイルド・シングス』はドンデン返しすぎて、最後の方は笑うしかないけど、エロがあった。

映画の文法でやるミステリーにはドンデン返し+αがないとちょっと映画単品の魅力としては弱くなるというのが私の意見。

パーフェクト・ストレンジャー』は完全なB級テイストのノリで、あきらかにTVドラマでも出来るタイプの作品。無茶苦茶、作り手のいいように物語が転がっていき、主要の登場人物は3人、さらに脇で2人くらい絡むだけで、怪しいとされる人間がそんなにいない。だからきっと騙されない人は多いと思う。私はあのオチは思いつかなかった。なぜなら前に他の映画で同じオチを観てるから、もうないだろうと思って。スルーしてた。

それはまぁ、いいとしても、『パーフェクト・ストレンジャー』はハラハラするシーンが1つもない。んで、こういうサスペンスに必要不可欠なエロもまったくなし。せっかくのハル・ベリーもまったく脱がず、唯一あるサービスシーンは『トゥームレイダー』や『メリーに首ったけ』くらいのちら見せ。

なんだろう、『氷の微笑』とかマドンナの『BODY』くらいだったら、まだ観れたのになぁ。エロも無ければ、ハラハラもせず、物語になんのひねりも無い、さらにオチも決まらないというトンデモない映画で、恐らくあのオチを考えてから、物語を作り出したんだと思うな。それってどうなん?

例えば、『キル・ビル』だったら、一般的に日の目を見ない映画にスポットを当ててやろうっていう思想があるじゃん。『マトリックス』もそう、なんか目覚めろ!っていうメッセージがあるけど、結局は押井守とカンフーがやりたいだけ。なんか1つやりたい事があって、それから組み立てるのはまぁいいけど、しかもカンフーとか、殺戮っていうのは物語にすぐ組み込めるからね。

でも、人を騙す部分から物語を膨らましていったらさ、結局無理があるじゃん。特にミステリーの場合はそうでしょ。やっぱり事件があって、人間が居て、犯人が居て、動機があって、んでサプライズがあるじゃん。そういうのも全部すっとばして、オチから広げて行くと、ホントにすべてに無理があるんだよ。『パーフェクト・ストレンジャー』はそういう映画だった。

発端となる事件も魅力的じゃないし、動機も薄っぺらいし、人間も全然絡まないし、ツッコミどころもたっぷりあるし、ホントにオチが分かると、それ以外がまったく機能してないことがよくわかる。『シックス・センス』みたいにオチがわかって、さらに楽しめるっていうサービス精神はどこにもないね。

しかしハル・ベリーってアカデミー賞獲ったのにくだらない映画に出てるなぁ、ギャラがいいのかなぁ。この映画は絶対にハル・ベリーブルース・ウィリスでやるべきじゃなかったですよ、まったく無名なヤツにさせるべきだった。ブルース・ウィリスもたいした演技してないよー、きっとハル・ベリーとキスしたかったから仕事受けたんじゃないか?