とりあえずおもしろい映画は『ワイルド・パーティー』

ワイルド・パーティー [DVD]

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マイミクの若い人になんかおもしろい映画ないか?と言われたので、いろいろ勧めた中に私は『ワイルド・パーティー』を入れた。バカ映画が好きと公言してる人ならば気に入ってもらえる作品だからだ。というよりも、ありとあらゆる映画がある中で、ここまで見事な娯楽作品もそうない。

そうやって、勧めてたら、観たくなったので思わず『ワイルド・パーティー』をまた観てしまった。

今年は超が付くほどの傑作もたくさん観たが、それと同じ、いや、それ以上のカス映画もたくさん観た。前は昔の映画しか観なかったのだが、今では最新の映画ばかり観てるという、数ヶ月前では考えられない事になってる。そんな新しい映画を浴びてる時に『ワイルド・パーティー』を観たわけだが、

やっぱり、この映画はホントにすごかった。

今、この状態だからこそ分かった新しい魅力が私を虜にした。やっぱり『ワイルド・パーティー』はただ単に私にとって好きな映画じゃなく、一般的に観ても傑作なんだ。

『ワイルド・パーティー』はまず、無駄な演出がない。物語の進行上は無駄なシーンがあるけど、それはあくまでギャグだったり、観客を楽しませるための物だ。それ以外のタルいとされるプロットの部分や説明の部分の演出がホントに上手い事が今更わかる。

歌にのせたオーバーラップで三角関係を表したシーンなんかは昔観た時はただのミュージカルシーンにしか感じなかったが、今観ると、ミュージカルシーンの中に、男女間を融合させるという、無駄の無さを感じる。

当然メジャーで作られながらも金はかかってないのだが、編集1つで映画のマジックを感じさせるのも、ラス・メイヤーのすごさだろう。冒頭の悲鳴とシャウトの切り替わりや、テンポの良さは明らかに編集によるもので、特に前半20分はホントに無駄も無ければ、テンポも良く、ここまでスピード感のある映画だったか?と、自分の脳味噌を疑ってしまった。昔はそこまで思わなかったのだがな、歳と共に感覚も変わるわけか。

車の中でのセックスシーンと、ベットの上でのセックスシーンをカットバックで交互に写したりするのも上手いと思った。しかもベットの方は、スプリングを貫通してカメラが上に行くという徹底ぶり、デ・パルマでも考えつかない様なアイデアである。

ベッドのスプリングを貫通するというのはハッキリ言ってなんでそんな事をしたのかわからない。
だが、妙にかっこいいし、印象にも残る。『タクシードライバー』でもスコセッシは意味の分からないカメラワークを多々したが、『ワイルド・パーティー』にもそれはある。まぁそれは映画ならではの演出だったりするんだけど、そういう遊びと無駄のなさが見事なバランスで共存してるのも、素晴しいと思う。

『パイカリエンド』など、無駄に長い映画が多々ある中で、2時間足らずという長さも潔い。最近の映画を観て来た状態で観ても古さを感じない『ワイルド・パーティー』はやっぱり傑作だった。もともと好きな映画として挙げてたが、それ以上に好きになってしまったな。

んで、ミクシィレビューで『ワイルド・パーティー』のレビューを観たのだが、傑作と書いてる人がオレくらいなんだよな。まぁ、見方が間違ってるヤツが多すぎるんだよね、ギャグだとか、狙った感じが全然分かってなかったり、バカ映画なのに、バカバカしいって言ってたりさ、うーん。。。

とりあえずDVD買うと町山智浩さんが書いている評論が読めます。廉価版には入ってないんだけど、何故かラス・メイヤーのBOXに入ってます。それがホントに素晴らしい。こういう映画評論家がもっともっと増えればいい。