ウォンテッド


9時30分より『ウォンテッド』鑑賞…


ちょー最高!!!


山ほどあった(演出面やアクションの斬新さという意味での)『マトリックス』フォロワーの中でも、


飛び抜けた超傑作!

いや、個人的には元ネタである『マトリックス』をも越える傑作だ。

主役を演じるジェームズ・マカヴォイはイヤミったらしいデブ女の上司にバカにされ、会社で唯一の友人である男はマカヴォイを利用しているだけ、さらにそんなマカヴォイにも彼女がいるのだが、そんな彼女は自分を利用しているだけの友人とセックス三昧。んで、怒ると心臓がドキドキしてしまって、薬を飲まないと収まらないという。誰もが思ってる最低の状況よりも、さらに最低の状況にいる男。彼は思う。

「こんなクソッタレな日々が続いていくのか?」と、そんなある日、いつものように薬をもらいに行くと、
いかつい顔のジョリ姐が傍に立ってて、『私はあんたのお父さんを知ってるわ、最高の殺し屋だったのよ』と言う!マカヴォイはその場で殺し屋に狙われるのだが、ジョリ姐に助けられ、ある組織に連れて行かれ、神の声を持つモーガン・フリーマンに、「君には心拍数が上がるとものすごい速度についていける能力を持つのだ、お父さんにもその能力があった、君の中にはライオンが眠っている、今がそれを解き放つときだ!」と言われ、そしてマカヴォイは最高の殺し屋になる。


ちょっと細かい部分すっ飛ばしましたけど、


これずばりマトリックスなんだよね。


でも『マトリックス』よりも、男の夢が詰まってるというか、コンピューターに管理された世界で民衆達よ!立ち上がれ!という、体制への怒りと革命のメタファーみたいなもんはまったく無くて、それよりも、クソッタレな生活から金にも困らず、刺激的な生活を!という、誰もが憧れる映画的なプロットだけを抽出して、物語を再構築。しかもマカヴォイはスピードを自在に操る能力まで持ってるしね。

んで、さらにそのプロット自体がトリックになっているというか、話がひと捻りしてあって、後半に仕掛けがあり、前半のネタバレはなんでもないという、その辺に転がってるわかりやすーいハリウッド製映画とは違って、さすがベクマンベトフだぜ!という展開と設定がおもしろい。

それだけじゃなく『マトリックス』には無かった、

汗くさーい男や(『マトリックス』のキアヌは汗かかないし)

血なまぐさいバイオレンス、

生々しいセックス、

エロいヒロイン、

という、中学生男子大喜びなアイテムてんこ盛り(R-15だけどな!)

だってさ、考えてみてよ、ガリガリで色気のないトリニティよりも、エロさ全開のジョリ姐の方がいいじゃん!(『リローテッド』でトリニティよりもモニカ姐さんの方がいいじゃん!って思ったのはオレだけではあるまいて)

そんな事はさておき、もうMcGとかレイ・ルテリエとかザック・スナイダーとかがやりつくしたであろう、『マトリックス』以降の「スローモーションに猛スピードで動くカメラ」は、また1つ『ウォンテッド』でレベルを上げたと言っていい。コミック的な決め絵だけじゃなく(実際マンガのコマ割りのようなスローもちらほら)動きに対する演出の執念が鬼のようで、ハッキリ言って文章では説明出来ないようなアクションがてんこ盛り!

もう後半はジョン・ウー+『マトリックス』+『ロイ・ビーンって感じの、マンガなんだか、ギャグなんだか、シリアスなんだか、よー分からない、大、大、大、大、銃撃戦があって、そこはホントに最高にアガる!

マトリックス』はロード一発でカンフーの達人になったが、そこも『ウォンテッド』は違ってて、ちゃんと一流の殺し屋になるために修行するんだけど、その修行の仕方ってのが、ナメック星に行くまでの孫悟空みたいな修行で、死ぬ寸前までボコボコに殴り続け、その後、ケガを回復させるための風呂に入って、ケガを回復した後、またボコボコに殴り続けるという、それこそお前!『ドラゴンボール』読んだだろ!みたいなシーンが非常に素晴しい。そこも『マトリックス』よりも好感が持てるところだ。

正義と悪は人間の中に必ずあるものであり、悪が敵である事はないという『ダークナイト』も素晴しかったが、個人的には正義とか悪とか関係なく、自分の信念に従って行動しろ!立ち上がれ!というメッセージと、ノリノリの音楽とアクションが詰まった『ウォンテッド』を推します!