『十三人の刺客』をVHSで観ました。
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当時、黒澤明だとか『子連れ狼』シリーズに「うおー!」って熱狂してたぼくとしては「なんで、ずーっとベラベラおしゃべりしてんのよ!?」って感じで、退屈だなぁというのがあったわけです。ちなみにペキンパーに狂ってた当時は『戦場にかける橋』も退屈だった印象が拭えなくて、今観たらどうなんだろう。
今回、三池崇史×天願大介という『オーディション』コンビでリメイクされるってことで、改めて観てみました。そしたら――――おもしろかったんですよ!
ぶっちゃけて言うと、セリフの大半がよく分からなくてですね……ウィキペディアで調べても、
「筆頭老中土井利位邸」
「明石藩主松平斉韶」
と、漢字ばっかりじゃないですか!
筆頭老中って何っすか!?ってなもんですよ!でも、さすが映画ですね。ストーリーのガイドラインがカッチリしてるんで、どういう状況かなんとなく分かるもんなんですね。
まぁ、ぼくなりに要約すると、どうも、明石藩のお偉いさんが、強姦するわ、人殺すわ、最悪なヤツで、こいつをなんとかしてくれと、家老が丹波哲郎の家の前で死をもって抗議するんですね。んで、みんな我慢の限界なのは分かってて、遂に行動を起こしたか!と、それをキッカケに動き出すんですが、このお偉いさんってのが、将軍徳川の弟なので、誰も手出し出来ないと――――これ!今でもありそうな話じゃないですか!会社の社長が超イヤなヤツだけど、誰も文句言えなくて、クビを覚悟で抗議するんだけど、何も変わらなくて、下っ端がぶちギレるみたいな話でリメイクしてほしいもんです。
話を戻すと、これで黙っていられないのが、丹波哲郎ですよ。なんつっても自分の家で死なれたわけですから、武士の一分にかけてでも、なんとかしなきゃならない。でも、正式な抗議は届かない。というわけで、丹波さんは決意します。「あいつ殺すしかなくね?」
そこから暗殺部隊が組まれて、クライマックスに向かって行くわけなんですが、まず、今回観て思ったのが、意外とスピード感がある映画なんだなということ。
二時間を越える映画ですが、最初の50分くらいで、ストーリーは全部語り切って、あとは作戦に向けて、動いて行くという感じで、なかなか飽きさせません。実際クライマックスは30分あるわけですから、90分で概要は全部撮らないといけないわけですね。そりゃスピーディーになるはずです。
カメラワークも手持ちカメラを使ったり、顔にゆっくりとズープアップしていって感情を表現したりとおもしろいです。十三人が集まるシーンは、ちゃんと十三人を一つの画面におさめるなど、画作りもかなり凝ったものになってます。
あと、やっぱりクライマックスの暗殺シーンは見事ですねぇ。もっとスタイリッシュだった気がしてたんですが、全然気のせいでした。ありゃ狂気と死と血の匂いが混ざり合ったカオスですよ。
スマートに刀と刀を合わせて、互いの美意識をぶつけ合うなんてことは一切しなくて、基本的には刀をブンブン振り回しながら「ぬああああああ!!!!!!」って叫んで、ぶっ殺すだけなんですよ。逃げて逃げて路地で待ち伏せて斬る!とか、やり口も卑怯極まりない。何人かを相手にしなきゃいけないときは、砂とか掴んで相手に投げたり、石投げたり、もうすんごいですよ。喧嘩殺法って言葉がこうも似合うシーンはなかなかないんじゃないでしょうか(しかも「ケンカ」じゃなくて「喧嘩」と書きたくなる)。
最終的に何が起こってるのか分からないんですけど、これってもしかしたらペキンパーにも影響を与えたんじゃないですかね。『戦争のはらわた』とかにも通じるもんがある気がします。
いやぁ、『四十七人の刺客』が観たくなりましたねぇ。ウィキペディアによると登場人物のセリフとか引用してるみたいですよ。借りてこよーっと、あういぇ。
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