2010年に観た映画を全部ふりかえる/その1

どもども、クリスマスも過ぎてもう少しで今年も終わりますな*1。ということで今年日本公開された映画の中でぼくが観たものを寸評付きで全作振り返ってみようと思います。観たあとよりもだいぶ落ち着いて印象も変わった映画があったりするので。ある意味で「くりごはんが嫌い」の映画感想ダイジェスト版という感じです。

1月
かいじゅうたちのいるところ/傑作。着ぐるみにこだわったり、ドラマパートを増やしたりしたスパイク・ジョーンズの原作に対するアプローチが完璧で、あれだったら原作者も納得するだろうなと思う。BD買っちゃったよ。

パイレーツロック/わちゃわちゃしてるし、物語としては一本筋がないんだけど、それがかえって『M★A★S★H』っぽくて楽しい。音楽のチョイスもよかった。

Dr.パルナサスの鏡/ギリアム改心の一撃という感じで大変素晴らしいイマジネーションの洪水なんだけど、ホントにこの映画を観て思うのはヒース・レジャーで全シーン観たかったなということ。これに尽きる。なぜこの人の映画はコケて、バートンのは当たるんだろうなぁ。

サヨナライツカ/予告編でミポリンの美しさとウォン・カーウァイみたいな映像に惹かれたのだが、これが大ハズレ。そもそもかっこ良くて、仕事も出来て、スポーツ万能な男の完璧な不倫なんて見たくないのだ。

サロゲート/おもしろかった。二週遅れの『マトリックス』みたいな設定がかえって潔かった。

カールじいさんの空飛ぶ家/前半最高。前半だけだったらピクサーでもトップクラス。だが後半がちょっと……

ゴールデンスランバー/期待してた以上におもしろかったため、良い印象どころか結局年間ベストにも入れた。今の日本のサイズにふさわしいスケール感とエンターテインメント感が絶妙。


2月
ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE”/解散ライブの様子ですごく感動したのだが、後にライブDVDと内容がかぶってることが判明……


3月
コララインと魔女のボタン/傑作。今世界中探してもこれに似た映画はひとつもない。まさしく唯一無二のアナログ感。バートンっぽさが抜けてるのも見事でこれと『コープスブライド』は世界観が全然違う。

噂のモーガン夫妻/今年のダークホースのひとつ。なんとなく観たが、これがかなりおもしろく、年間ベストに入れようか迷ったほど。脚本上手いし、主演二人の個性を生かしたスター映画としても見事。あまり金をかけようとしないところもいいし、これぞウエルメイドの極みという感じでおすすめ。

シャーロック・ホームズ/意外と評価が高い気がするが、個人的にはまぁまぁかなと。ただし、ガイ・リッチーにはこういう映画をどんどん撮ってほしい。

NINE/おもしろかった。フェリーニの『8 1/2』ってこんなに分かりやすいストーリーだったのか!とも思ったし、女優たちが何よりも素晴らしい。特にペネロペのビッチっぷりは最高。スクリーンで観れてよかった。

ハート・ロッカー/感想をしっかり書かなかったが、個人的にこの映画は爆弾解体が全編続くジェットコースタームービーという印象。そんな映画見たことなく、故に強烈だったし、尋常じゃないくらい手に汗握った。セリフの少なさもいいし、終盤のシリアル売り場のシーンはたった数秒絵を切り取っただけなのにすべてを表していた。

4月
ワイルドバンチ@午前十時の映画祭/言わずもがなの超名作だが、今回スクリーンで観て、初めて号泣しちゃったんだよ。これが映画をスクリーンで観るのと家で観るのの違いかなと実感した。

ボーイズ・オン・ザ・ラン/原作を読んでないが、おもしろかった。ただし、救いがなさ過ぎて二度と観れないよ。『宮本から君へ』に似てるなと思ったら原作者が影響されているのだった。

バッド・ルーテナント/傑作。オリジナルとはかけ離れたが、リメイクたるものこれくらいはやってくれなきゃねという感じで潔かった。やり過ぎ警官、ニコラス・ケイジのベスト演技。ラストも印象深い。

ソラニン/ラストのライブシーン。これに尽きる。

第9地区/こないだBDで見直したけど、やっぱり全身の血液が沸騰したね。おもしろかった。デジタルカメラで撮ってるのかBDとの相性もよくかなりの高画質。モキュメンタリーがいつの間にかしっかりした劇映画にという流れも、最初観た時違和感あったけど、もうそういう映画だと分かってみると気にならなかった。何の情報もなしに観たのでパワードスーツが出て来た時には本気で燃えたね。やはりおすすめ。

シャッターアイランド/意外と低評価な気がするが、ここ近年のスコセッシ映画なら『ディパーテッド』と並んで好き。『グッドフェローズ』のテンションで『シャイニング』を撮るとこうなる感じ。スコセッシはディカプーという最大の武器を手に入れた気がするなぁ。それくらいディカプーの魅力爆発。もう「予告編と違うじゃん!」っていう的外れな感想やめたら?

アリス・イン・ワンダーランド/前半に観た『Dr.パルナサスの鏡』が強烈すぎて、こちらはかえって霞んだ印象どころか、3Dを意識しすぎてるなぁという印象もあった。2Dで観たのがいけなかったのかな。

隣の家の少女/US盤BDにて鑑賞。原作のキモだったラストの拷問が酷すぎて映像に出来ない!というところを完全無視している。正直、こんな拷問が続くのか、やめてくれと思いながらも拷問される姿から目が離せないという倫理観を切り裂くようなシーンがひとつもなかったよ。つまんね。

タイタンの戦い/ゲームの映画化みたいな感じ。カメラワークとかその他もろもろがね。でも印象薄い。あんまし覚えてない。

*1:本来は1月6日までがクリスマスなのだが、まぁこの際いいでしょう。