キャラの動きが悪い最近のアニメ。

ミクシィにて、マイミクさんの『鉄コン筋クリート』のレビューを読んではっとさせられた。

スチームボーイ」「パプリカ」でも感じたが、背景美術はすばらしいのに、肝心のキャラクターアニメーションと演出がついて来れていない。

というもの。これはズバリ言い当ててるというか、今のアニメの本質を指摘されてるようだった。

私にとって、最近のアニメはほとんど外れがないが、よく考えてみると私が好きなのは、『スチームボーイ』や『イノセンス』『マインドゲーム』『BLOOD』など、全部背景というかディテールがごちゃごちゃしてて、人物の演出はあまりよくないものばかり。唯一『メトロポリス』くらいかな、手塚治虫のキャラでしっかりと動きを感じさせたものは。ディズニーなんかを観ると、人間の動きは見事。『白雪姫』なんて、気持ち悪いくらい動きがすごい。人間の動きだけにこだわりをおいたような演出である。たしかにこれは肝だ。アニメの肝と言っていい。

例えばジミー・ウォングはカンフーがヘタクソ。ブルース・リージェット・リーはカンフーがキレイ。カンフー映画はカンフーアクションが肝だ。私はジミー・ウォングの作品も好きだが、カンフーがヘタだという印象は強い。作品がおもしろければなんでもありなのだが、本当にカンフーアクションを愛してる人にとってはイヤなものだろう。

これはゲームにもありえる。例えば『スト2』はド派手でごちゃごちゃした絵をメインに格闘するが、『バーチャ』は人間の動きを徹底的に演出してリアル。もちろんどちらが正しいという事もないが、両方が取ってる方法論はそれぞれに納得してしまう。

もう今のアニメ全体がそうなんですよ。圧倒的なビジュアルをてんこ盛りにする事で、納得する人が多いんですよね。私なんかはまさにそっちの人(笑)かなり酷評されてた『スチームボーイ』もあのごちゃごちゃした1枚の絵がツボで、ストーリーとかは個人的にどうでもよかった。かなり子供な見方だが、現にDVDも1万円のヤツを買ってしまったし…

私なんかは『鉄コン筋クリート』は松本大洋の絵を動かしてるという事に圧倒されて、その人物の演出などはまったく気にならなかった、これは正しい見方ではないのかもしれないが、一枚絵の完成度は現に高く。それに感動したのは事実である。だが、人物の演出がダメというのも非常に良くわかる!というか、言われて気がついた。

こうやって、別な人が別な見方で指摘して、それが理にかなってると言うか、納得してしまうものだと。ホントにハッとするし、勉強になる。どの部分に作品の感想のウエイトを置くかというのは人それぞれだが、今までで一番ズバッと来た感想というか『たしかにそう言われると、そうだ、それは納得だ!』と、唸ってしまった。

私はいろんな人に映画をたくさん見て欲しいし、ここがすごかったというのを掘り出して感想を書く。自分でも過剰に褒めてる気はするが、映画を見て感動する事も多いし、それを他の人にも味わって欲しい。だから暴走する事もしばしある。映画の褒めどころもヘンだ。何が言いたかったのかというと、これからもこのブログをよろしくお願いしますという事