Here's Johnny!

んで、いろいろ画像を探したりしてたら、こんなサイトを発見。ライブドアのウィキってやつだが、とてもおもしろい。自分でやろうと思わないがこれはすごいサイトだ。

キューブリックの『シャイニング』は私とても好きな作品で、ホラー映画は嫌いなのに何回も観てる。父親が息子を殺そうとするだけでも怖いのに、お化け屋敷的な怖さも+されてドキドキする。

原作者のキングはこの映画版を嫌っていて、自らの手で『シャイニング』の映像版をTVで作った。実は私、このTV版も何故か観てるのだ。原作は読んでないが、キングのこだわりが炸裂した作品で、たしか、4時間近くもある、もうすげぇ長かったが、これはこれでまったく違う作品なのになかなかおもしろかった。

キューブリックの『シャイニング』の好きなところはまず人物描写が無いところ。キューブリック作品に共通するテーマだが、この『シャイニング』も人物描写は無い。これに対してキング版は人物描写がしっかりしていて、人間が単なる駒ではなく、作品の中では重要視される。

キューブリックが描きたかったのはシャイニングがどうとか、幽霊だとか、そういう事ではなく、単純に美しい映像を使ってホラーは撮れるか?という部分だったのではないだろうか。キューブリックの『シャイニング』は物語を進める上で、まったく要らない映像がてんこ盛りなのに、それらの映像が一番印象に残ってると言うなんとも奇妙な作品である。冒頭の空撮、ステディカムを使った三輪車、血の洪水、双子の美少女、迷路、ドアを叩き割る斧、実はこれらの映像はキング版にはまったく出て来ない。双子の少女は出て来たかもしれないが(記憶が…)そういう意味のない映像が、キューブリックの『シャイニング』では一番印象に残っている。

キング版の『シャイニング』はまずラストが違う。ここに驚いた。執拗に出てくるボイラーもキューブリック版ではまったく意味をなしていない。そしてラストの武器も斧ではなく木槌である。キューブリックはただ単にドアをぶち破ってそこから顔を出すニコルソンのカットをやりたかったがために斧にしたのかもしれないという憶測も成り立つ。

原作ファンにとっては駄作なのかもしれないが、私は大好きだ。ああ、また観たくなってしまう。