『Apocalypto』が最高すぎる件について。


起きて、ボケーっとしながら、思いつきで『アポカリプト』が新潟でいつ公開になるのか調べる。だいたい新潟では一ヶ月とか二ヶ月遅れで公開するからさ、『ブラック・ブック』とかよぉ。とにかく調べたら…もうやってる!しかも1日で2回しか上映してないから、もうすぐ終わりそうな感じ!

しかも時間が9時半と18時半という両極端な時間帯!時計を見ると、もう8時半!大慌てで用意して、小新のワーナーマイカルダッシュする。久しぶりにワーナーに来た。やっぱり映画1本1800円って高いよなぁ…だって10本観ただけで18000円だよ!?そりゃ映画人口も減るわ!というか、今は増えてるのか、それにしてもなんで『アポカリプト』をやらないんだよ!

この『アポカリプト』マイミクの皆さん含め、大絶賛の作品で、そこまで言われるとかえってハードルが上がっちまうだろ!と言いたくなるくらいの絶賛っぷり。そういう風に言われて見ると、そこまでの作品じゃないだろ!となってしまうのが私。

まぁ、観たんだけど…

クソおもしれぇ!!!

『300』も最高におもしろかったが、『アポカリプト』も同じく人生のベスト作に入れても申し分ない傑作なのだ。有名なスターは皆無。しかも全編マヤ語。さらに残虐のR指定。普通にヒットする要素が1つもない。なのにもかかわらずアメリカでNo.1になったという事は、映画自体がおもしれぇからだよ!『パッション』と『マッドマックス2』を足したような傑作なんだよ!だぁぁ!もう興奮しまくって、映画観終わった後もあまりに興奮してたのか、

帰って顔を洗おうと思ったら、メガネをかけたまま顔に泡をつけてた(笑)それくらい興奮してたんだろう、いやぁ参った、ホントに参った。


今の世の中は地獄以上に地獄と化してる!

という映画は『バトル・ロワイアル』や『宇宙戦争』『ブラックホークダウン』で観て来たが、この『アポカリプト』はその地獄絵図と映画的な興奮が見事なバランスで共存している。

アポカリプト』はマヤ文明の時代を舞台に、なんであんなにすごかったマヤ文明が滅んだのか?を描くと言われてたが、本編はそれとはまったく関係無い、アクションとスリルに満ち溢れた、ノンストップの映画。始まりから終わりまで息もつかせぬ展開で2時間20分。映画的興奮を味わえる事必至の作品なのだ。マジで、オレはこれを観て、メル・ギブソンに感謝した。お前のド変態風味もふんだんに入ってるよ!久しぶりに映画を観て、手に汗握ったし興奮した。最近の『パイカリエンド』や『スパイダーマン3』『ダイハード4』は、やっぱり迫力があるけど、主人公が死なないって分かってるからハラハラしない。ところがこの『アポカリプト』は、ホントに森の中を走り回るだけなのに、むちゃくちゃハラハラする。無名の役者が死ぬ物狂いで逃げるし、さらにクライマックスではカットバックを駆使して、ハラハラするように作られてるから、最近の映画にはないドキドキ感がある。

始まってすぐに動物を狩るシーンから始まり、マヤ人の大殺戮から、捕虜になっての道中、さらにマヤ文明が栄えてる場所での首チョンパ、『ハード・ターゲット』のような人間狩りからの逃亡、そしてそれらすべてを凌駕するクライマックスの雨と決闘!このスピード感と、この躍動感、肉体が激しくぶつかり合う原始的なアクション、

とにかくこんなにおもしろすぎる映画がこの世にあっていいのか?という傑作。

さらにすごいのが近年の映画ではなかなか見られない演出の数々。

首は飛ぶし、

豚を殺してキンタマを丸かじりするし、

人は虫けらのようにバタバタ倒れるし、

首無し死体で丘が出来てるし、

ヒョウに顔面噛まれて、顔がねじれるし、

首の後ろから槍が刺さって口から出てくるし、

ブッ刺した短剣の先から血はビュービュー吹き出すし、

とにかく人間が虫けらのように死んでいくのが最高すぎる!

マヤ文明がどうだったかというのはよく分からんが、快楽的で人殺しが好きなヤツらばかり出てくるのも最高!血と泥と汗でどんどん汚れて行く主人公が最高!上品な要素は微塵もなく、ひたすらに下品なところも最高!まったくキャラ達に感情移入出来ないところも最高!『ブラックホークダウン』のように殺戮だけで映画をひっぱってもいいが、映画自体が躍動してるのも最高!

さらに映画はそれだけじゃない。セルジオレオーネや黒澤映画のようにセットや衣装がよく出来てて、映像の迫力も段違い。さらにデジカメを使う事で機動性を重視、人が森を走り抜けて行くシーンではそのカメラの機動性が爆発的な効果を出している。モブシーンやマヤのピラミッドを映したシーンなんかはスクリーンで観る価値アリの迫力。『パッション』もそうだったが、映像の作り方もメル・ギブソンはうまい。特に役者の顔がリアルで、その顔を強調するためにクローズアップが多様されるのだが、それがマンガの一コマみたいでおもしろいし、素晴しい。怒りや悲しみもすべて表情1つで切り取って行く。さらにセリフが極端に少なく、主人公の心情や説明など一切無し。特にクライマックスの追いかけっこは、ほぼセリフがなく、ひたすら主人公が逃げ続けるという演出をしている。こういうところにメルギブの才能と面白い映画を作ってやるんだ!という心意気を感じるなぁ。

もう残虐でアクション満載、ハラハラ感、スピード感、ノンストップ、家族愛とホントに素晴しいだった。あういぇ。