仕事終わりで『ルネッサンス』鑑賞。フランス製のアニメ。全編モノクロでフルCGなのかな?『シン・シティ』っぽい印象があったけども。
とりあえず感想から言わせてもらうと…これぞフィルム・ノワール!って感じ。
ホントに行動だけ描いた一人称のハードボイルドで『ブレードランナー』を思わせるストーリーと展開がとてもかっこいい。フィルム・ノワールって映画はアメリカ映画だけど、言葉自体はフランスから生まれたんだよね?だとしたら『ルネッサンス』はフレンチフィルムノワールとかの括りじゃなくて、ホントのフィルム・ノワールだよ。フランスの街並なんだけど、セリフは英語だし、まぁ一体なにがフィルムノワールと言われても説明出来ないが。
なんかね、フルCGなんだけど、あの陰影とかは『黒い罠』もあるし、『ルネッサンス』は新しいようで古いんだよね。モダンっつーのかな。それがかっちょいいんだけどね。モノクロ映像の限界というか、これが頂点なんじゃないかな。
『ルネッサンス』でおもしろかったのはその手法。フルデジタルって言っても、アニメの場合トラックバックとかするとCGの部分が浮くでしょ?『イノセンス』とか『スチームボーイ』もそうだった。かと言ってフルCGだと、アニメを観てる感じがあまりでない。『ルネッサンス』は実写とアニメの境目を行くかと思いきや、やっぱりアニメなんですねぇ。でもフルCGだから、そういうトラックバックしたりしても、なんの違和感もない。自分で書いてて何言ってんだかわからなくなってきた(笑)
実写と同じ手法を使って撮ってるから、なんかすごい古い感覚で新しい映像を見せられてる感じがある。例えば手持ちカメラで映像がブレたり、ジャンプカットがあったり、オーバーラップがあったり、長回しやクレーンショットがあったりして、なんかテクニック的には昔からあるヤツを組み合わせてて、まさに新感覚のフィルムノワールを観てる感じが出る。あー!!つたわらねぇなぁ!(笑)
あんまし無茶なカットバックもしてなくて、そこも古い映画っぽかったのかな?
ストーリーも普通に誘拐事件が起きて、型破りだけど優秀な刑事がそれを追うというもの。そこに様々な陰謀が絡み合ってという感じなんだけど、ちょっと設定が分かりにくかったかな。まぁ仕方ないけどね、この世界観の場合。妙に説明すると作り物臭いし、『マトリックス』と方法論は一緒かも。『マトリックス』と『シン・シティ』と押井守を組み合わせた様な感じかな。
ストーリーはホントに至ってシンプルで、それがすごくよかった。この手の映画だと、映像メインになって、あとはどうでもいいみたいな感じになるけど、『ルネッサンス』はモノクロであの映像を使うんなら、フィルム・ノワールを撮る!っていう明確な意志があって、映像と主題と物語がバッチリ噛み合ってるんだよね。だから1つの映画として、作品として成り立ってる。映像だけがすごいよ!っていう作品じゃない。そこが良いです。
おもしろかったですよ。すっきりまとまってたし、オレは絵もストーリーも好きですね。DVD買うかも。もう一回観たい。