THE JUON

『THE JUON』鑑賞。23時から、1人で部屋でである。私は意外と人が観てる映画を観てない事が多くて、さらにそれが友人だったり家族(妹以外)だったりするとまったく観なくなる。一般的にウケてるものをわざわざ私が観なくても誰かが他のブログで紹介してくれるだろうというのもあるし、基本的に私と思想が似てたり、センスを感じさせる人のオススメは観てもおもしろいと思えるのだけれど、普通の人がオススメした映画を実際に観ると落胆する事も多いというのが理由でもある。

パイレーツ・オブ・カリビアン』も『SAW』も『Vフォーヴェンデッタ』もいろんな人が観ててオススメされて、重い腰を上げて観るけど、全部今ひとつだった。だから、オススメされても、観ようという気にはあまりならない。

一昔前『呪怨』という映画がメチャクチャ流行った。ハッキリ言って私の周りはほとんど観てたと言っていい。でも、私は絶対に観なかった。理由は上記の他にもう1つあって、

怖いからだ

それ以外に何がある?トイレに行けなくなるし、風呂も入れなくなる。私はホラー映画が嫌いだ。というか、嫌いと公言してきた。でもそのわりに結構観てる事に最近気づいて、実はホラー映画がすごく好きになってきている、なんか妙に好きだ。『悪魔のいけにえ』とかもそうだし『ゾンビ』や『遊星からの物体X』は人生のベスト作だ。『東海道四谷怪談』なんかは撮影が芸術的だし、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』はホントに好き。映画の怖さにもいろんな質や好みがある事を知ったし、最近なんかはすすんで観るようになった。

ここで『呪怨』を観ておくのがスジなのだろうが、ひねくれ者の私としてはあえてハリウッド版から観るという暴挙に出た。サム・ライミがプロデュースしてるし、外人が日本で怖い目に遭うという設定も興味があったからだ。

さて『THE JUON』であるが、そこまで怖い映画じゃない多分、怖過ぎるとかいろんな声を聞きすぎたんだな。だからと言ってまったく怖くないとは言いませんよ。これは個人的嗜好だとか、好みもあるだろうが、どうしても『リング』を先に体験してしまうとね、そんな『リング』も2回目に観た時は大爆笑でしたけど、こんなんで怖がってたのか!というね。

清水崇は上手いです。見せ方が上手い。カット割りとか余韻の残し方とかすごく独特で、恐らく映画自体の演出はそこまで上手いわけじゃないと思うけど、ああいう見せ方の腕が特出してるんでしょう。中田秀夫とか黒沢清とはは違う、こうどこかアメリカ的でどこか日本で滑稽で漫画的でっていう部分がとてもおもしろかった。

だって、よく考えて観て下さいよ、全身白塗りの子供に恐怖を感じるってすごい事だと思いませんか?紙一重ですよ、ヘタすりゃ笑いになりかねない。それをあれだけの人が怖がって、観たくないと言うわけですから、これはそうとうなもんですよ、だからコンセプトとか求めてるモンとか、そういうのに確実に応えてる清水監督は偉い。職人と言うか、サービス業としては100点満点でしょうね。

このハリウッド版って主役のサラ・ミシェル・ゲラーという女の人がとてもいいんですわ。マジに萌える。すげぇかわいくてキレイで、それをなんか舐める様なカメラワークで上から撮ったりするのがなんともツボでね。映像だけ観ると、私とこの清水崇という監督はすごく感性が似てる気がする。全カット、サラの撮り方に大興奮したもんね。

ぶっちゃけストーリーとか設定とか全然意味わからなかったんだけど意外と観れました。90分くらいだし、余計な説明とかあんまり無いし(説明するのがセリフじゃなくて全部映像だったのも良い)でもやっぱり『THE JUON』だったら、私は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の方が怖かったな。これまた個人的な嗜好になるんだろうけどね、よく『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に文句言う人居るけど、あれは怖くなかったから文句言ってるんであって、それはね、音とか音楽で分かりやすい怖さを求める人が言うんだよ。だって、アイデアは別にしても、カメラと素人3人と森だけで映画撮れって言われて撮れますか?ああいう映画には絶対に出来ないでしょう…また話が脱線した!

まぁ私は『リング』よりも『呪怨』を推すかな。それよりもJホラーだったら『回路』がすごい傑作ですけどね。とりあえず日本版も見よーっと。