ベオウルフ


8時にスパッと目が覚める。なので、起きてしまったのならばと思い『ベオウルフ』を観に行く事にした。

9時半に『ベオウルフ/呪われし勇者』鑑賞。アンソニー・ホプキンス演じる王様に一体何があったんだ?とか、明確にしない部分も多々あり、結局のところ、原作を知らないと楽しめないんじゃないか?とも思ったが、映画自体は無茶苦茶おもしろかった。ほぼ90分だし、この手の映画にありがちな重々しい雰囲気は一切無し。CGで実写作品に近いもんをやるというコンセプトをついに手元に引き寄せた感じはある。美術だとか、メイクとか、衣装の事を考えると意外とこちらの方が安く出来るのかも。ただ『ロード・オブ・ザ・リング』みたいにアナログ撮影の中にCGがあった方が感動はするけどね。

でも「実写で撮ればいいじゃん!」という作品にはなってない。ちゃんとCGアニメの意味がある。ちゃんと人が叫んだら、その喉の中からカメラが出てきたり、木と木の間を猛スピードでカメラがトラックバックしたり、人が飛ぶシーンでは、カメラがその人に寄り添うようにくっついてたり、カメラワークがとにかくおもしろい。3D上映もしてるらしいが、これは絶対に3Dで観るべきだろう。アクションシーンはとにかく派手で見世物小屋状態だ。

ゼメキスというと、間に合うのか?間に合わないのか?みたいなサスペンス的な演出をよくするが、『ベオウルフ』ではそれを一切封印して、徹底的にダークで残虐な娯楽映画を作り上げてる。『ロード・オブ〜』に触発されたのだろうが、あれには勝てないとわかった上での演出は非常に小気味良く、ひたすら残虐的に撮ったのも好感が持てる。というか、ストーリー的にはファンタジー色は薄い。男ってのは結局、富と名声と権力と飛び切り美しい女には弱いっていう映画だし(笑)

ゼメキス監督と言うと『ポーラ・エキスプレス』とか、ファミリー映画を撮ってるイメージもあるだろうが、『BTTF2』のビフの世界だとか、『キャスト・アウェイ』での飛行機がぶっ壊れるシーンとか、スピルバーグとかと変わらない残虐さにもぬかりはない監督。まぁ『ベオウルフ』はその側面が存分に発揮された作品。

人間が虫けらのように壁に叩き付けられて死んだり、

肉体が腐敗したクソでかいゾンビみたいなのに腕をもぎ取られたり、

さらに体をねじられて、ブチッと真っ二つに裂かれ、臓物や肉片が飛び散ったり、

竜みたいな怪物にナイフを突き立て、血が滝のように溢れたり、

目ん玉の裏側から、剣をブッさして、血まみれになった主人公が飛び出してきたり、

とにかく凄まじい。冒頭の大殺戮シーンなんて、最近こういうのが流行ってるのか?というくらい徹底している。

これがなんの指定もなく公開していいのかという感じだ。個人的には嬉しい事なんだけど、もし、CGを使った冒険活劇だと勘違いして、子供を連れてきたら、親はどうするんだろう?セリフもすごくて、『オレの獣(チンポの事)を女はねだってる』って歌ったり、『とっとと口でやってくれ』とか、ド下ネタばっかり!ゼメキスすげぇよ!

まぁ、1番の語りどころはジョリー姐さんのフルヌード(CGだけど)ですわな。予告編でもちらっと出てたが映画では完全なフルヌードで、ところどころ金箔みたいので隠れてはいるものの、素っ裸で出て来る(でもCGだけど)あれはモデリングとかどうするんだ?きっとオレみたいなヤツが妄想したり、ヌード雑誌とか読んで、がんばるんだろうが、ジョリー自身も出来た映像に関与するでしょう?「もっと胸をでかくしなさい!」とか「もっと腰をくびれさせなさい!」とか(笑)この場合どうやって撮影したのか?とかギャラはどうするんだ?とかいろんな謎があるが、まぁそれは他の人に任せる事にしよう。

ジョリーのおっぱいがどうのこうの言われますけど、主人公も素っ裸で戦ったりするんですよ!でもね、肝心のちんこ的な部分は剣の持つ手で隠れたり、煙で隠れたりして、バカっぽいの(笑)というか、何故裸で戦う?????

ちょっと人間の動きがぎこちないような部分もあったりして(というか、今は動き自体をコンピューターに取り込めるだろうが)違和感がある部分もあったが、ホントに気にならない程度で、映像のクオリティはとにかく高い。ゲームのムービーシーンを90分作り込んだ感じだ。ゲームのムービーシーンのクオリティが高いから、それに映画が負けてなるものか!というくらいの意気込みを感じる。

まぁね、賛否両論あるだろうし、まったく受け付けない人もいるだろうが、個人的には楽しめた。『ロード・オブ〜』と『300』を足したようなとかいう触れ込みで公開してるが、それは合ってる気がする。オススメです。