ブレードランナー ワークプリント版

14時くらいから『ブレードランナー』のメイキング鑑賞。これはホントに見応えあるメイキングドキュメンタリーだ!

ブレードランナーの未来世紀』で裏話は色々書かれてて、それも出て来たけど、それよりも何よりもキャスト側からのインタビューが嬉しく、未公開シーンもある。

見応えあると書いたが、何が見応えあるかって、

レイチェルとデッカードのセックスシーンがあって、そこでレイチェルがおっぱいを出すところ!

なんか、観たいような観たくなかったような感じだったが、やっぱり妄想族な私としては、想像するわけで(笑)それを具体的に映像に出して来た事に素直に興奮してしまった!

私はレイチェルが髪の毛を解くシーンがホントに大好きで、それまで髪を結ってるのはあんまし好きじゃないんですよ、だから、あの髪型でおっぱいまで出してくれりゃ、

ステーキとすき焼きが同時に夕飯に出て来たくらいテンションがMAX。

あれを携帯の待ち受けやパソコンの壁紙にしたいくらい興奮した!もしかしたら、『ブレードランナー』で1番好きなシーンはあそこかもしれん(笑)本編には入ってないのに(笑)でも、あれは無くて正解だわね。なんつったって、レプリ同士かもしれないんだから、セックスを入れてしまうと、愛という感情が芽生えるというのがなんか性欲の方になってしまいそうだし。またそれこそ意味が変わって来る。まぁこれは私が思ってる事であって、情感を表現するのにはセックスが1番だと言う人もいるんだろうけどさ。

さんざん迷って、『ブレードランナー』のワークプリント版をおかんと鑑賞。画質悪い!直したらしいがそれでも悪い。まぁ、そりゃそうだろう、あれが精一杯だったんだろうなぁ。ファイナルカット版の素晴しさが良くわかるもんになってる。

ワークプリント版の感想をほぼ日手帳でメモりながら観て、箇条書きしましたので、それを記す。(気のせいやファイナルカット版と通常版とごっちゃになってる可能性もあるが、参考にしてください)

・タイトルの出し方が違う。

・時代背景を語る字幕がレプリカントの辞書になってる。

・自動誘導の無線入る

・目のカットない

・窓のアップを映すのがない

・テストするヤツが死ぬとこちょっと長い

・ナレーションがない(最終版、ファイナルカット版も同様)

・2つで充分ですよが聞き取りにくい

・エビ丼のカットあり(2つで充分の謎はここで分かる)



・あなたを逮捕しますの時のそば屋のカットが無い

デッカードの口からうどんがちょっと出てるカットがある

・なんか効果音が違う(気がする)

・ジェイソンのマスクかぶったねーちゃんが踊るシーンがある(ファイナルカット版も同じ)

ユニコーンの夢がない(最終版、ファイナルカット版では登場)

・リオンを殺す時のカットがいくつか抜けてる

・レイチェルの髪を解くシーンがない

・ラブシーンの時の音楽が違う

・ロイがタイレルの事を父と言う(親父に言われて、そう言えばそうだなと気付くがこれはファイナルカット版だったか、通常版だったか…)

・目つぶしシーンがある(完全版、ファイナルカット版も同様)

・何か全体的に街の騒音が激しい(気がする)

デッカードの鼻に指がつっこまれてる

・指が折られるアップがある(完全版も同様)

デッカードの指を直すシーンが抜けてる

・ロイが手のひらに釘を刺すカットがない(完全版はあり)

・最後の最後で急にナレーションが入る

・ロイの死ぬ姿のカットが違う

・エレベーターが閉まって終わる(最終版、ファイナル・カット版、同様)

・閉まったら“THE END”と出て、さらにスタッフロールがない。

と、一応相違点で分かったのはこんな感じだ。ところが観終わった後に音声解説がある事に気付いて、それでもう一度観たら、まだあった事を知る。

・うろこ調べた後、街全体をクレーンショットで映してオーバーラップして次のシーンに行く(ファイナルカット版同様)

・ゾーラを殺した後、バーで酒を頼む時の音楽が違う

・最後の対決の音楽が違う

・腕を掴まれて、壁に叩き付けられるカットが無い

・んで、その後ロイが壁から顔を出した後に『痛いか?痛くないか?』と言う

・最後レイチェルを迎えに行く時のカットが違う

とこんな感じ。ただこの音声解説の最後で、こんな事を言いやがった!

『私が確認した相違点は70カ所以上。だが調べると100以上違いがある事がわかった』

そんなん全部分かるかい!!リドリー・スコットですら把握してないだろ!
まず、ワークプリント版を観て思ったのは、冒頭からそば屋、その後の警察のくだりまでがやっぱり違う印象になる。目とか無いし、テストするところの室内にも寄らないし、変な無線とか入っちゃってるし、さらにうどんを食うデッカードの部分もずっと映して、カット割りが少ないから、なんかホントに違うんだな。

自分的には劇場公開版よりも最終版の方が回数多く観てるから、ワークプリント版は結構受け入れられる。やっぱり私はあの終わり方が好きだ。それは確信した。あとワークプリント版も同様にシャープに感じる。仮の編集だから荒く、数カット抜いてるところもあるのだが、それがなんかいいスピード感になってる(気がする)ナレーションがある方が好みだが、別に無ければないで、受け入れられる。公開版だろうが、完全版だろうが、最終版だろうが、ワークプリント版だろうが、ファイナルカット版だろうが、これが決定的な『ブレードランナー』だってのはやっぱりない。個人的な好みもあるし、音楽のミックスもそうだけど、結局、編集に答えってないから、やり出すとキリがない、その時の年齢とか状況とかもあるし。

とにもかくにもとりあえずここ最近は『ブレードランナー』漬けで自分でも飽きないのが不思議なくらいだ。もしかしたら私は『ブレードランナー』がすげぇ好きになってるかもしれん。このDVDのお陰で。『ガルシアの首』の時と同じ。やっぱり映画ってのはいい画質、いい音質、デカイ画面で観るべきなんだろうなぁ。

1時頃ワークプリント版についてたファイナル・カット版のメイキングを観る。なるほど、そんなに変えてたのか!

ファイナルカット版は上記のワークプリント版とディレクターズカット版と完全版がごっちゃになってて、明らかにリドリー・スコットは劇場公開版を気に入ってない事が分かった。

ファイナルカット版を製作する際、作為的なミスは残す事にして、後のミスは全てデジタル修正している。『スター・ウォーズ』の特別編と違うのは、ミニチュアのセットなどをそのままにしてる事だ。CGで新しい物を足してない。傷だけ取ったり、タイレルの親指だけ取ったりしてて、そういう部分には感動する。

ちなみにファイナルカット版でオリジナルとまったく違うのは

・ゾーラがガラスを突き破るシーンで演じてたスタントマンの顔をCGで変える
現在のジョアンナに当時のカツラや衣装を着せ、同じ動きをして、デジタル修正を施した。まさに荒技であると言える。これを考えたヤツの頭はすごすぎ。

・アブドルハサンを訪ねる際に合ってなかった口の動きをハリソンの息子で合成する
ハリソン・フォードは忙し過ぎる(その前に『ブレラン』を嫌ってるから仕事を受けないと思ったんじゃねぇの?)から息子を使ってセリフと口の動きを合わせ、その口を当時のハリソンの口にCGではっ付けた。この発想もすごい。ジャバの後ろをまわる時にシッポを踏みつけたくらいのアイデアだと思う。

・ロイが死んだ後に飛び立つ鳩のカットをCGですべて書き換える
青空と妙な倉庫みたいなところを飛ぶのは明らかに違ってるので、その背景を作品の世界観に合うようにCGで書き換えた。

この3つ。ただ、ワークプリント版を観てからまたファイナル・カット版をちらっと観るとやっぱり絵の鮮明さには驚く。マット絵なんかは奥までくっきりと見えて『AKIRA』のそれよりもクオリティが高い。ファイナルカット版が1番尺が短いらしいが、その違いはカットを切り詰めたりしてるんで、全然分からん。

ただ、ワークプリントはクレジットが無いし、最初のカットから短かったりするので、実質1番短く感じるんだよね。音声解説してた人はワークプリント版が1番好きだと言ってたが、なんとなくそれも頷ける。なんだろうビートルズのアンソロジーを聞いてる感じ?未完成だけど、それはそれで問題ないっていうか。『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)』とか『And Your Bird Can Sing』とかは、オーバーダブ無しで1発録りアンソロジーバージョンの方がかっこいいって思ったりするし、そういう事なんじゃないかと。