史上最低の映画『グレンとグレンダ』


『グレンとグレンダ』鑑賞。ブランチさんが熱狂的に愛するエド・ウッドの初監督作。最低な映画を作り続けた男として有名だが、ファンを公言してる人も少なくない。ティム・バートンエド・ウッドを愛するあまり『エド・ウッド』という映画を作った。実際、この作品でもって、世間的にも知名度がアップし、WOWOWでは彼の代表作が放送されたほどである。んで、私はこの時に大ダコが暴れ回る映画を観てる(だが、それ以外のシーンをまったく覚えてない)

ブランチさんは私のマイミクさんで、私よりも5歳若いが、ものすごく映画に精通してる人で、ゾンビ映画など、全体的に私よりも映画に詳しい人で、すごくリスペクトしている。実際お会いしたのだが、確かに若く、映画館にも足繁く通ってらっしゃるようだった。今では、ちょくちょく携帯のメールで観た映画の事を送信しあう仲である。

そのブランチさんに是非観て欲しい映画としてオススメされてたのが『グレンとグレンダ』で、ブランチさんは『グレンとグレンダ』を

最初に見たときは三度涙を流した。 これは間違いなく、エドの『市民ケーン』だ

と評している。

でも、最低映画として有名だから、あまり期待せずに観たのだが…いやぁ、感動したっ!

主人公は女装癖があって、変わった思想の持ち主、それはエド・ウッド自身の事なんだけど、これ、誰にでも経験があると思うよ。つーか、この気持ちはオレの気持ちそのものだよ!ブランチさんじゃないけど、マジで泣きそうになった。後半の告白シーンで特に!

自分の弱い部分とか、かっこ悪い部分とか、世間体とかがあって、それを隠して生きてる人って結構いると思うの。でも、自分にとって、絶対に曲げられない信念だとかあって、例え、親しい人に責められようと、自分はこうだ!とか、自分の事をそれでも分かって欲しいとかあって、だから私もブログではド変態な事書いてたりするし、自分もそういうのをさらけ出してる人の方が信用出来たりもするし、んで、それらを全部包み込んでくれるような人が現れる事を待ってるわけでしょ。

だからタランティーノエド・ウッドの事を好きだってよくわかるね、これは間違いなく『トゥルー・ロマンス』にも決定的に影響を与えてるに違いないよ、だって、精神は『トゥルー・ロマンス』とか『バッファロー'66』と一緒だもん。いつかはこんな変態な自分の事も分かってくれる女の人が現れるっていう願望もあるもん。エド・ウッドの持つ苦悩と、こうなって欲しいという理想の世界がそこにあるんだよ。

もうさ、最近観て大感動した『空飛ぶゆうれい船』とか、あと『ファイト・クラブ』とかもそうだけど、ホントに共感するっていうか、これはオレのための映画だ!ってのがあるわけじゃん?まさにそれだったんだよ!

んで『グレンとグレンダ』を観て思い出したのはデイヴィッド・リンチの『イレイザーヘッド』だ。デイヴィッド・リンチエド・ウッドが好きだとウィキペディアに書いてあったけど、『イレイザーヘッド』と『グレンとグレンダ』はとてもよく似ている。冒頭の神様のくだりや、オーバーラップの使い方、踊り狂う女が出て来るとかもほっぺたが膨らんでる女と共通してる。何よりも夢の中の世界と現実の悲惨さの対比という部分において、かなり共通したテーマでもある。

あと、これモンド映画っぽくもあるよね、なんか、バッファローが出て来るとか、民族が出て来るとか、ドキュメンタリーっぽくなるところとかもそんな感じがする。

だから『グレンとグレンダ』は『イレイザーヘッド』や『トゥルー・ロマンス』に感動したヤツらは観ろって事だよ!何が世間体だ!何がオシャレさんだ!何がいい人だよ!バカヤロー!誰になんて思われようとオレは自分の事を着飾ったりしないぞ!うおー!ちょー元気出た!あういぇ。