JUNO/ジュノ


10時から『JUNO/ジュノ』鑑賞。

皮肉屋で口から生まれてきたような16歳のジュノは友人と興味本位でセックスをするが、その1回のセックスで妊娠してしまう。中絶を考えるが、行った病院の応対の悪さと、友人の中絶行為を目にし、子供を生む事を決意する…

これだけ書くと、金八先生だとか、あと14才で子供を生むとかいうくっだらないクソドラマを思い出すだろうが、

『JUNO』は愛すべき傑作だと思う。脚本を書いた人も映像化した人もとてもセンスがよく、主役のジュノを演じたエレン・ペイジがとにかくパーフェクト。久しぶりの大型新人女優誕生といった感じで、彼女を観るためにまた『JUNO』がみたい。

まず、日本だったら10代で妊娠するドラマを映像化した場合、両親に反対されぶん殴られたり、相手の男がどーのこーのとか、学校はどうする?とか、ほんっとうにくっだらない事を突き落とすように悲観的に撮り、無理矢理感動的な要素に持ち込んで行くが、

この『JUNO』は、そういうドラマで観たくない部分は全部すっ飛ばして進む。主人公のジュノも変わり者だが、両親も友達もセックスした相手もみんな変わり者で、今までのドラマにありがちだった部分は、すべてスルーしていく。じゃあ、この映画はどういう部分に物語の焦点を当ててるかというと、

ジュノという居そうで居ない女の子をすこぶる魅力的に描く事だけに集中しているのだ。

実際、とにかくジュノに会いに来て!とか、 エレン・ペイジが世界を変えるなんていう評も出てるが、それはホントに納得である。『JUNO』はジュノという女の子がすこぶる魅力的であり、その女の子が妊娠して、周りの人間がその事に関わっていくだけで、物語は加速度的におもしろくなる。

冒頭からジュノがジュースをがぶ飲みして、コンビニに入る。そしてそのやりとりを観ただけで、この映画はおもしろいと確信した。

この映画がおもしろいのは『ゴーストワールド』同様、ジュノという女の子がオタクに惹かれるというところだ。今、もしかしてオタク気質な恋愛映画が流行ってるのだろうか?映画の中でロック、マンガ、スプラッターホラー好きの男にジュノは惹かれ、そんな男は「もう!いい歳して!」と言われてる、、、、、、、

なんか、オレの事を言われてる気がしたが、、、、最近こういうヤツが出て来る映画をよく観るなぁ。日本のアキバ同様、アメリカでもオタクが流行ってるのか?

それにしても、こういう映画がヒットするというのは喜ばしい事だ。サントラもヒットしたらしいが、音楽のセンスもバツグン。今公開してる映画ではダントツでオススメです。