女子の話す下ネタは男のそれよりもエグい。
Twitterを眺めていたら、某切株系ブロガーが「明日から公共の場でセックスが欲しいのって言っても怒られない期間が始まりますよー」とつぶやいてたんで、「え!?何!?そんなすごい映画が始まるんだっけ!?知らなかった!?」と、一瞬ドキっとしたが、すぐに、「ああそうか『セックス・アンド・ザ・シティ』のことか」と気づいた。
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ただ、『SATC』が「アラフォー女子が恋や仕事に悩みながら、自分の生き方を貫く」みたいな紹介をされるとちょっとばかし違和感を感じる。
ぶっちゃけ『SATC』はそういうドラマではない!決してない!恐らく昨今のアラフォーブームに便乗した打ち出し方なのだろう、映画版も含めて後半の方はそっちの要素が強くなって来ていて、そのせいで、まったく興味がない男子も多いかもしれないが、ぼくは男子にこそ観て欲しいなぁと思っているのである。
基本的に『SATC』は「ある程度の美貌を持ち、男顔負けの収入を得ているお姉様方がセックスをし、そのことについてダベりまくる話」だ。
4人の女の人が主人公で、それぞれに恋愛に対するスタンスが違うのが特徴。ざっくりと分けると、一人は純愛を貫きたいと思っており、一人は不倫も3PもレズもOKというアバズレで、一人は恋愛至上主義で、一人は仕事がバリバリ出来れば恋愛は二の次というキャラクターである。
ただ、この4人に共通するのは、ずばりセックスについての悩み。「純愛を貫きたい!」「映画に出て来るような美しいセックスをしたい!」と思ってるキャラでさえも、最終的にはセックスについて悩み、エグい話を開けっぴろげに話し始める。
ずばり『SATC』でおもしろいのはここだ。
ぼくは「女子が話す下ネタは男のそれよりも生々しい」という持論を持っていたのだが、『SATC』を観ると、それが万国共通なんだなということがよくわかる。
男どもが集まった時に話すような下ネタを女子4人が『レザボア・ドッグス』のノリで話すので、会話のシーンがやたらおもしろい。「昨日エッチした男なんだけどさぁ、喘ぎ声が引くほどなんだよねぇ」「口でしたら、飲み込むのが基本でしょ!喜ぶ男多いわよ!」そか基本そんな感じだ。
当然、こんなことを今までドラマでやるはずもなく、当時はとても斬新に感じたものだった。会話がリアルでおもしろいという部分において、『SATC』はもしかしたらタランティーノフォロワーなのかもしれないが、『デス・プルーフ』の女の会話なんかを観てると『SATC』からのインスパイアなんじゃないかとも思ったりする。
ただ、それはシーズン2くらいまでで、後半になると、いわゆるアラフォー女子の生き方!みたいなものが全面に押し出されて、映画版になると、それがより顕著に現れてくる。まぁ、そこまで来ると、もうずっと観続けてるから、あの主人公が遂に結婚式までこぎ着けるんだね!みたいな、異様な感情移入があるわけなんだけども。
今回の『SATC』第二弾はやはり圧倒的に女性のお客さんが多いと聞く。『SATC』ごっこというと聞こえが悪いかもしれないが、映画を意識したようなおねえたまがたが3人くらいで固まって観に来るようだ。
方向性をそういう風に変えてしまったので、残念だが、ぼくはもっと男の人も『SATC』を観て欲しいなぁと思うのであった。でも、シーズン2くらいまでがおすすめだけど。あういぇ。