ザ・マジックアワー

セックス・アンド・ザ・シティ』を久しぶりに鑑賞。おもしろい。やはりおもしろい。というか、こんなにえぐかったか?下ネタ。

んで、その後に再放送されてる『古畑任三郎』鑑賞。久しぶりにこちらも観たらおもしろかったので、第1回目から観出す。一応全話、ビデオ録画したヤツがあるんでね。第1回目ってすげぇ三谷幸喜風味のシチュエーションものだったんだねぇ。ほぼ2人しか出てないし、この密室感というか、舞台っぽい感じが、全編通してあったんだねぇ、観てた当時は気付かなかったよ。すごいなぁ。個人的に古畑のベストは桃井かおりの話だよ。見直しても良く出来てると感じた。あと、澤村藤十郎が出ている話も素晴しいと思う。あまりにおもしろいと思って、朝5時まで見続けてしまった。

11時に起きて、古畑の明石家さんまの回を観ながら昼飯を喰らい、12時45分から『ザ・マジックアワー』鑑賞。三谷幸喜監督作。

おもしろかったよ!すげぇ笑ったし、泣きそうにもなったよ!

話の筋を聞いて、いろんな人に“どっかで聞いた事ある話だなぁ”と言ってて、でも、なかなか思い出せなくて、映画観てる最中に妻夫木の演技で思い出した。

これねジャッキー・チェンの『奇跡/ミラクル』なんだよ。

だからフランク・キャプラの『ポケット一杯の幸福が元になってるはず。これWOWOWで昔観て、ぶっちゃけあんまし覚えてないけど、でも映画全体の雰囲気は40年代からの映画やフィルム・ノワールが漂っている。冒頭のクレーンショットによる長回しから、カレンダーのオーバーラップによる時間経過まで、とても凝りに凝っていて、アイリスアウト、超クローズアップの切り返しなど、映画を観ている観客を否が応でも古き良き時代の映画の世界に引きずり込んで行く。

ウディ・アレンが『ブロードウェイと銃弾』や『カイロの紫のバラ』を撮ったように、林海象が名探偵濱マイクシリーズを撮りあげたように、三谷幸喜も『ザ・マジックアワー』を撮りあげた。ビリー・ワイルダーフランク・キャプラ、『暗黒街の顔役』日活映画から『ダイ・ハード』さらには市川崑のオマージュまで飛び出し、今までのどの三谷作品よりも映画への愛に溢れている。映画を撮る事の喜びやスタッフに対する尊敬の念までも明確に出て来て、『ザ・プレイヤー』のコメディ版とも言えるような作りになってる事も驚いた。

細かいと思ったのは佐藤浩市が酒を頼む時にジンライムではなく、わざわざギムレットという所。どんなところにも小ネタを滑り込ませる三谷演出は今回も健在である。

いろんな人から後半が弱いと言われてたが、個人的にはそんな事もなく、2時間を越える上映時間もまったく気にならないくらいの展開の早さ。キャストも演出も脚本も上質で、「まるで映画みたい」というセリフですら気が利いている。

悔しいのはすべての元ネタが把握出来なかった事だ。それが分かってればもっともっと楽しめただろうが、それにしても娯楽作としておもしろかった。映画館もすげぇ笑ってたわい。