『スピード・レーサー』は良い意味でニンテンドーの実写化

16時45分より『スピード・レーサー』鑑賞。『マッハGOGOGO』の実写版。監督はウォシャウスキー兄弟。久々の新作は、なんと日本のアニメの実写化である。にしても!私は元のアニメを観てないのだが…

映像はハンパないでゲス!

予告編を観た方なら分かると思うが、あの色の配分、ドギツイ原色、、、どう考えてもF-ZERO』と『マリオカート』を実写化したとしか思えない(しかもGC版)コースのデザインに至っては『マリオカートダブルダッシュ』に出て来るワリオスタジアムだったり、『F-ZERO64』の雰囲気があるけども、あの感じをそのまんまCGを駆使して映像化したらああなるよなぁって感じ。

ゲームをやった方なら分かると思うが、64よりもGCは原色がハッキリしていて、さらにその色の配分が無茶苦茶カラフルで、『スーパーマリオサンシャイン』だとか『ダブルダッシュ』が1番色濃く出てたけども、あの原色のキツさも、完全に参考にしてるような雰囲気。

もし兄弟がいくら否定したとしても、それは絶対にウソ。『マリオカート』だっつーの、あれは。最後にジェットコースターのような直角に近いコース出て来るけど、あれ、レインボーロードだもん。あとシャーベットランドもそのまんま出て来るし、もっとマニアックな事をいうと、『ワイルドトラックス』のナイトオウルも出て来る(恐らくこれは偶然だと思われるが)

だからね、ホントに今まで観た事ない映像っていうか、ぶっちゃけゲームしてるような気分にもなったけど、やっぱりレースシーンはすげぇよ。背景ほとんどCGだし、それこそ『ボーン・アイデンティティ』や『RONIN』とかの本物の迫力にはかなわないけど、車が絶対にありえない動きをして、それをこういう風にしようかって考えてる監督は頭おかしいっていうか(笑)

AKIRA』のごとく、走った車のテールランプが残像になったりして、きらびやかな色彩と派手に動きまくるカメラが一体となって、まさに『F-ZERO』の世界に入り込んでしまった感じ。というか、当時『F-ZERO』ってゲームは衝撃的だからね、あのスピード感。これが64とかキューブで出た時はもっと衝撃的だから。重力を無視してループ状のコースを走ったり、パイプのところを360度回るように走ったり、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の影響ももちろんあるだろうけど、時速1000キロのスピード感はゲームならではの映像だった。

んで、ウォシャウスキー兄弟はそれをそのまんまスクリーンで体感させようとした。いや、そうに決まってる。もう『マッハGOGOGO』とは別モンになってる気もするし。ウォシャウスキー兄弟ってタランティーノと感性が似てる。『バウンド』っていう映画は『レザボア・ドッグス』のように切れ味鋭いノワールだったんだけど、それが『マトリックス』シリーズになってオタク魂全開になったでしょ。あの感じが『レザボア』から『キル・ビル』や『デス・プルーフ』を撮ったタランティーノと似てる。

んで、今回『スピード・レーサー』でしょう。タランティーノは元のアニメのファンを公言してるから、また『マトリックス』に次いで悔しかっただろうなぁ。

正直、ちょっと長い気もしたし、訳分かんない裏切りもあったりで、もうちょっと短ければいいなぁと思ったが、それでもレースシーンはホントに素晴しくて、

マリオカート』を巨大スクリーンで体感するんだったら1800円払う価値は充分にある。という作品。

タランティーノは『マトリックス・リローテッド』に対して、「まるでニンテンドーをやってるみたいだったぜ」と言ってるが、その言葉をそのまんま体現したような『スピード・レーサー』は

マリオカート』と『F-ZERO』をやりこんだ人達必見!という作品になってます。

個人的には『トランスフォーマー』を観た時と同じ興奮が蘇った。うおー!これをここまで実写化出来るのかよ!という興奮があった。だから『トランスフォーマー』のように“子供だまし”だとか“ゲームしてるみたいだ”という批判もありそうだが、あれを実写化しようとしてる事がすでにすげぇっつーの!しかも無駄にカンフーとか出てるし、もうやりたい放題だけど、私は好きですよ。