亀仙人の役なのにツルツルにしなかったチョウ・ユンファについてのお話。


仕事終わりで幼なじみの友人に迎えに来てもらって、談笑しながら、私の家へ。友人は『片腕マシンガール』をいたく気に入っていた。

家でDVDの棚を観ながら、映画の話をしたけれど、私とその友人は『男たちの挽歌』のファンで、特にチョウ・ユンファが好きなのだけれど、昔好きだった役者が堕ちて行く姿というのはなかなか観たくないもので、太って行く裕次郎とか、逮捕されるショーケンとか、時代を象徴する人が時代について行ってない感を観るのは悲しい。

チョウ・ユンファは香港を代表するスターだ。私の中では2丁拳銃とロングコートが似合うナイスガイなのだ。その友人は「男前の劇団ひとり」と評するが、中国人特有の輪郭が飛び抜けた男前でなくさせているのもポイントだろう。ある映画では3年間の屈辱を受け続けた後、銃弾に倒れ、ある映画では「米はオレらにとって親のようなものだ」とアメリカ人に説教をし、ある映画では盲目の女性を助けるために孤軍奮闘し、ある映画では赤ちゃんを助けるために大火事の病院の中を走り回る。つーか、全部ジョン・ウーとのコンビ作だが(笑)

チョウ・ユンファはハリウッドに行くが、ジェット・リーのようにパッとした作品に出てない。出てないどころか、ファンにとっては観るに耐えない役所ばかり。映画はクソだったが、役柄には「おおっ!」と思った『リプレイスメント・キラー』は良しとしても、正直、『アンナの王様』から首を傾げ、ジェット・リーの代わりに弁髪のマスターを演じた『グリーンデスティニー』ではミシェル・ヨーチャン・ツィイーの二人に喰われ、そして弁髪を剃り落として坊主頭で挑んだ『バレットモンク』は何の印象にも残らず、そして完全にスキンヘッドで挑んだ『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』のしょうもない役柄に怒りを覚え、あげくの果てには『ドラゴンボール』の亀仙人である。しかもRoshiというふざけた役名(日本人はえっ!と思うかもしれないが、海外ではRoshiは亀仙人の事なのである)で、スキンヘッドじゃない!なんでだよ!この映画こそ、ツルツルに反り上げなきゃダメだろ!!

ジョン・ウー監督の『キングス・ランサム』の企画は何処かへ消え、さらに『レッドクリフ』は降板、ウィキペディアによれば、チャン・イーモウとも確執があり、なんだかなぁと思ってしまう今日この頃なのだが、それでも、私はこれからもチョウ・ユンファのかっちょいい姿を待ち続けたいと思いますっ!!!あういぇ。

これから『ヤッターマン』を観ようかと。