ジュニア・ボナー
- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2004/08/27
- メディア: DVD
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サム・ペキンパー監督、マックイーン主演の『ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦』鑑賞。
ペキンパーは好きで結構観てるんだけども、これはビデオのレンタルもなく、さらにそこまで評価されてるわけではないのかどうかわからないが、あまり人にもおすすめされずに来たので、観れなかった。そしたら赤道のビデオ1にDVDレンタルがあったのでやっと観た。
巷で言われてるように銃を抜くシーンが一つもなく、当然アクションシーンもない地味すぎる映画なのだが、そこで展開されていたのはまぎれもないペキンパーイズムだった。演出に長けてるという意味では一番出来がいいのかもしれない。狂ったビジョンやモラルに反発するような内容ではなく、巧みな編集とスローモーションを駆使して、淡々と時代に取り残されそうになる男の抵抗を描いて行く。同じマックイーン主演の『ゲッタウェイ』に比べ、大人なムードが漂い、上質なスコッチウイスキーを飲んでるようにマックイーンのかっこよさに酔った。
いやぁ、何が素晴らしいかって、情緒溢れる繊細な演出の数々。役者の表情だけで兄弟の確執や嫉妬、心の結びつきなどを表現して行く。
食事しているシーンで、あえてガツガツ妙なテンポで食べさせる事でマックイーンの心情が分かるし、カットと目線だけで何を言わんとしているのかが分かるシーンがたくさんあり、「そうそう!昔の映画の良さはこれだよ!」という名シーンがたくさん出て来る。
あと、スローモーションを多様しているのだが、元々、「暴力」をスローモーションで見せる事で「憎しみ」などの感情面でのデフォルメにするなど、まったく別な表現に変えてしまったわけだが、『ジュニア・ボナー』でもスローモーションは出て来てそれがアクションシーン以外で使われるので、ペキンパーはバイオレンスが無くても、スローモーションという技術を映画的な興奮や快感として上手く使えるんだという事を証明してしまった。
特にそれが発揮されたのは冒頭にある牧場破壊のシーンだ。パワーショベルで建物が破壊される様をスローで延々に映し続けるのだが、マックイーンの表情と壊される牧場をモンタージュさせる事で、「哀愁」を表現、しかもここで主人公の心情などをナレーションで説明するなんて事はしないし、セリフで喋らせる事なんて事も一切しない。
これはもちろん観客の映画力みたいなモノがある程度要求されるわけなんだけども、逆に言うと昔の人というか、この時代に映画を観てた人は、こういうのが当たり前だったわけで、ぼくは今の映画はホントにセリフなんかで説明されすぎなんじゃないかなぁとも思う。だからこそぼくは『ジュニア・ボナー』のような映画が地味過ぎるとか意味不明と言われるとそれはどうなの?と思ってしまうが。
という事で、確かにペキンパー映画としては派手さは無いし、マックイーン映画としても、代表作と言う感じではないんだろうが、骨太な心に染みる傑作だった。役者の力と観客の読み取り力のようなモノを信じたペキンパーの渾身の作品を受け止めろ!
ドイツのビールとベルギーのビールを買い、15時頃から飲み始める。いやぁ、ホントにビールが苦手という人がかわいそうに思えるくらいビールが旨い。CMでもよくビールをうまそうに飲むシーンがやたら出て来るんだから、これはぼくだけの意見じゃないと思う。なぜこんな苦くて、シュワシュワしたもんが旨いのか分からん。出来る事ならホントに四六時中飲んでたいくらいだ。
ドイツのビールは麦のうまさが全力出てるし、ベルギーのビールはアルコールが高いのでやたらにキレ味がある。それでもやっぱりビール自体が死ぬほど旨い。
気づいたら、寝てた。
18日夜
19時に起きて、寝起きでビールをまた飲む。今日は水曜どうでしょうだ、楽しみだ。あういぇ。