燃えよハイデフ

今更ハイデフのすごさについて。

妹がプレステ3を買った。元々『FF13』と一緒に買うつもりだったのだが、「どーせ『FF13』発売されたら、瞬く間に売り切れになるんだし、買うつもりならとっとと今日買っちまえ!」と言ったら、「よし買っちまうか!」とあっさり買いに行くことになった。『バイオハザード5』も一緒に買って、帰って早速プレイしたのだが————

絵のキレイさがハンパじゃねぇ!!

以前、友人の家でD端子に繋いだ『ウイイレ』のプレイ画面を見させてもらったが、その時は「まぁ映像はリアルだよねぇ」くらいにしか感じなかった。やっぱりテレビがハイデフじゃないとその実力は20%にも満たない。ハッキリ言わせてもらえば、フルハイビジョンでないのなら、PS3を持ってる意味がまるでないし、やってる時間もドブに捨ててると断言してもいいくらい、自分が今までに体験したことのないような美しさであった。

バイオハザード5』の話はまたいずれしようと思うのだが、もうあのハイデフっぷりを見せられてしまったら、すぐにでも「これで映画が観たい!」となるのが関の山。

一応、ブルーレイは数回体験していたのだけれど、その時は、別にブルーレイじゃなくてもいいような映画だったので、キレイだとは思ったけども、心底感動していなかったのが本音だ。つーか、そこで心底感動してたら次の日にでも買いに行ってるはずである。

ぼくはわりかし映画が好きな方なので、正直ブルーレイで観ることに意義があるような映画を観ないとダメだと思ったし、ビデオやDVDで繰り返し観てる映画じゃないと比べようがないので、それらを観てから本当の良さが分かるんだろうとなんとなく思っていた。だから今までちゃんとした記事にはしていなかったし、買いに行こうともしてなかった。

とりあえず情報量が多い映画とそうでない映画がいいなぁと思い『2001年宇宙の旅』と『ブレードランナー』と『燃えよドラゴン』を借りに行くことにした。Amazonでは今、ワーナーのソフトが50%オフなんだけども、焦ってはいけない。それでも『ブレラン』は買うけど。

ツタヤに着いてみると、DVDのレンタルの面積に対して、ブルーレイのレンタルはアメコミ売り場くらいしかなく、しかもぼくが定番だと思っていた『2001年宇宙の旅』の文字はどこにも見当たらない。置いてあるソフトは「そんなのブルーレイで観たって意味ねぇよ」というような愚の骨頂ばかり。ケツ喰らえ!

唯一、『燃えよドラゴン』と『ブレードランナー』はあって、視聴するという意味でちょうどよかった。3本で600円になるので、近年の映画からも借りようと『300』をチョイス。

帰って、最初に『燃えよドラゴン』を観たのだけれど————

今更ながら、ハイデフすげー!!!!

いろんな人が言ってるように、気持ち悪いくらいの解像度。

よく「目の前に居るみたい」とか「ビデオからDVDになった衝撃より上」とか「名札に書かれた字まで読める」とか、いろんな評判は聞いてたが、これはその評判以上だった。

着てる服のシワは遠くからでもハッキリ映り、その素材が分かるのはもちろんのこと、服に付いた汚れが、砂なのか、草がこすれたものなのか、ドロなのか、それもぜーんぶ分かってしまう。バックに映る山々は葉っぱ一枚一枚までくっきりと映り、オハラと戦うシーンのギャラリーたちはこんな表情をしていたのかというのが、全部同時に認識出来てしまうくらいであった。

しかもスローモーションになるとその美しさはさらに映え、敵を積みつぶした後に飛び散った汗の粒が放物線を描いたり、ぶっ飛んでったオハラを受け止める衝撃が伝わったり、リー本人が見せる悲しみの表情の変わって行く様など————本来スローモーションというのはこういう効果を持つものなんだなというのを認識出来るほどになっている。

特に鏡ばりの部屋での死闘はブルーレイで観ると、映画史に残る名シーンだったんだなと再確認出来ること必至だし、何よりもブルース・リーの肉体が躍動する瞬間を観る度に鳥肌が立った。とにかく今まで観ていた『燃えよドラゴン』はなんだったんだ!?と思うほどに別なものに見えてしまった。ハイデフ恐るべし!

これが『ブレードランナー』になると、もっとすごくなる。そこに映ってるのはあの時のハリソン・フォードなのだが、その鮮明さとまったく古びないスタイリッシュさ故、最新の映画に出てる若いハリソン・フォードみたいな印象になり、一緒に観ていたおかんは「なんかきもちわーりー、へんーな感じらてー」と言いだす始末。

けばけばしいネオン、吹き出す炎、煙、酸性雨に濡れるスピナー、ピラミッドのようにそびえ立つタイレル————クリアになったことで、情報量が多い映像もすっきり整頓されてるように感じ、これまた今までの『ブレラン』とは違った印象を持った。ミニチュアを使ってるわけなんだけども映像のクオリティは昨今のCGでクリエイトされた映像と比べても遜色ない。やはり『ブレードランナー』は未来永劫これからも輝き続ける傑作中の傑作なんだなというのを思い知らされる。ちなみに一緒に観ていた妹はユニコーンのところで「馬、すげぇ!」と言っていた。

一番驚いたのはアブドル・ハサンと会う時の口の動き。オリジナルでは話してることと口の動きがあっておらず、ハリソンの息子を使って、ミスった部分をCGで修正しているのだけれど、これだけクッキリ映っているのに、修正した部分は完璧にマッチしていた。ブルーレイで観ると、CGを使った部分っていうのはハッキリ分かるもんなのに、その状態でも違和感を感じさせないのはさすが映像派の巨匠と言ったところ。

もっと、もっと、言いたいことはあるんだけど、観てる側から「すげー!きれー!」しか言葉が出て来なかったんで、どれくらいキレイになってるかというのは、各々どっかで体験して、確認して欲しい。

というわけで、これからブルーレイのソフトをちまちま買おうと思ってるんだが、とりあえずレンタルになかった『2001年宇宙の旅』とぼくにとって一生もんの『ブレードランナー』が両方共ワーナーで安いから買おうと思う。『バリーリンドン』とかレオーネの『ウエスタン』とかをブルーレイでみたいが、今まで買って来たDVDはどうすればいいのだろうか…あういぇ。

燃えよドラゴン [Blu-ray]

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ブレードランナー ファイナル・カット スペシャル・エディション (2枚組) [DVD]

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