ゼロ年代ベストムービーに向けて:その3

長々すいません、三部作ということで、ゼロ年代映画を振り返るのはこれで最後です。一気に3年分です。

2000年ベスト

1位『マグノリア
2位『チャーリーズ・エンジェル
3位『ラブ・オブ・ザ・ゲーム
4位『BLOOD THE LAST VAMPIRE
5位『スリーピー・ホロウ
6位『インビジブル』
7位『バトル・ロワイアル
8位『グラディエーター
9位『マルコヴィッチの穴
10位『グリーン・デスティニー

1は『ブギーナイツ』でその片鱗を見せたポール・アンダーソン(出来のいい方)の天才っぷりが炸裂した1本。『ショートカッツ』のフォロワーだが、超絶な撮影テクニックとテンションの高い演技の応酬でオリジナルを越えた。2は倖田來未が本領発揮する前に“エロかわいい”という概念を女の子に植え付けた1本。しっかりとカンフーしちゃってるのも高感度大。3はサム・ライミのベストの1本。号泣した。4は超絶に美しい映像が50分続くだけじゃなく、日本刀を持ったセーラー服の姉ちゃんがバッサバッサと吸血鬼を斬るという設定からしてサムアップ。5はバートンの中でもトップクラス。6はいくら頭が良くても透明人間になったら女が着替えるところを覗いてしまうという男心にサムアップ。7は戦時中もイラク戦争の時も若者を追い込むのはいつも大人の身勝手さだ!という事をしっかりと提示した傑作。理不尽に人を殺すということが戦争なのよね。8位は映画館で観れなかったのを悔やみまくった傑作。リドリーはもう1回オレら世代に『ベン・ハー』してくれたのに!9は映画館でにやにやしながら観た。10はチャン・ペイペイ復活だけじゃなく、ちゃんとハリウッドで武侠してくれたので。映画館で観れた事も大きい。


2001年ベスト

1位『ゴーストワールド
2位『回路』
3位『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』
4位『千と千尋の神隠し
5位『メメント
6位『レクイエム・フォー・ドリーム
7位『殺し屋1
8位『アンブレイカブル
9位『アメリ
10位『BROTHER』

2001年は1に尽きる。『バッファロー'66』や『トゥルー・ロマンス』に連なるダメ男のファンタジー。2は邦画が豊作だった中でも頭一つ抜けてるような気がした。「なんで幽霊って怖いんだろうね?」という素朴な疑問からスタートし、最高の終末感に行き着いた黒沢清最恐のホラー映画。3はもっともっとおっさんになってから観ると1位になるかもなぁ。4は宮崎駿の中でもかなり好きな1本。湯屋であんなにスペクタクルするなんて!5は復讐をすることでしか生きられない男の救われない哀しみを描いていてよかった。6は怖すぎ、救われなさすぎで軽いトラウマ。7はやっぱり暴力って痛いよぉっていう事をフィクショナルなバイオレンスで再提示した三池監督の凶悪作。つーか、元々原作が素晴らしい。8は映画館で2回観て、2回目にして「あ、これヒーローもんをリアルにやったヤツか」と気づいた。9は女の子を中心に人気があるみたいだけど、やっぱりこれは現代版『地下鉄のザジ』なんだって!10はアメリカに行っても『ソナチネ』をやれば、ちゃんと北野武映画になるではないか。



2002年ベスト

1位『マイノリティ・リポート
2位『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』
3位『少林サッカー
4位『ロード・オブ・ザ・リング
5位『スパイダーマン
6位『マルホランド・ドライブ
7位『サイン』
8位『ゴースト・オブ・マーズ
9位『ブレイド2
10位『アダプテーション

1は新進気鋭の映像派が撮ったのか?と思うほどに若々しいスピルバーグ演出が素晴らし過ぎる。ヌンチャクみてーな銃が最高。2はしんちゃんを入れなきゃいけないというドデカいハンデを見事プラスにした本格時代劇。3はブルース・リーが僕らに残してくれたものを思い出させてくれた傑作。4を観た時はとにかくワクワクしたねぇ。5はライミ作品というよりも、映画として底抜けにおもしろかった。6はリンチ御大復活万歳。7はシャマランの最高傑作だと思う。8は明らかにスタジオで撮ってるし、ミニチュアも使ってるのだが、火星だっつってんだから、火星なんだよ!という映画ならではの強引さが古き良き特撮映画を思わせて好感度大。しかも人体破壊はCGで音楽はバカ丸出し、無駄に豪華なキャストと語るべきところも多し。9は意外とすっきりしておしゃれチックだった1をオタク全開にしてくれたので。10はあまり評価高くないみたいだけど、これメタフィクションっていうか、映画の構造と現実をグチャグチャにしてしまった、新しいタイプの映画だと思うなぁ。


じぶんで書いてて思ったけど、ゼロ年代には『マグノリア』があったなぁ……

さて、いよいよ次くらいにはゼロ年代ベストムービーを発表しちゃうぞ!まだ選んでないけど!あういぇ。