映画からおっぱいを奪わないで!『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』

9日の昼に『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』鑑賞。“あの”『ヌードの夜』の続編。

なんでも代行屋として探偵まがいのことをしている紅次郎の元にれんという女がやってくる。父の遺骨をヘリから富士の樹海にバラまいたのだが、その際に間違って形見のロレックスも投げたというのだ。そのロレックスを探してほしいと頼まれた次郎だが、なんとロレックスには肉片が付着していた。ロレックスを返すと、今度は自分の恩人だった女の人を探して欲しいと頼むれん、情報を集めるために新宿を駆け回る次郎だが、その恩人だという女は子供の頃実父に犯され、それを児童ポルノとして発売されてしまった過去を持っていた………

グダグダした恋愛が加わってしまって作品としてブレがあった『花と蛇2』や、喜多嶋舞のアナルセックスシーン以外長かった『人が人を愛することのどうしようもなさ』にもう一声と思っていた石井隆ファンのみなさまお待たせいたしました!大胆な構図、昼なのに異常に暗い照明、エクストリームな展開、竹中直人大竹しのぶ井上晴美宍戸錠津田寛治といった過去の石井組オールスターによる怪演、そして新たなミューズとして文字通りすべてをさらけだし石井ワールドにどっぷりと浸かった佐藤寛子の熱演も含め、頭からしっぽの先までこれぞ石井隆がぎっしりつまった快作。

今回も正直ちょっと長いなぁと思ってしまったシーンがいくつかあったのだけれど、それも含めて石井ノワールを堪能。前作がロングショットの長回しでシーンを構成していたのに比べると、今作では画面を暗く設定してわりかし人物に寄った印象がある。ただ、説明的なセリフをオーバーアクトで喋らせたり、村木のキャラクターが妙になよなよして別人になってたりと、ちょっと腑に落ちない点もあったが、石井隆の映画が大スクリーンで見れるんだからそんなんどうでもいいよ!

そして多くの人が指摘してるように会長(佐藤寛子)がさいこー!!!

石井隆監督の映画では必ずと言っていいほど女の人がボコボコにされる。殴られてレイプは当たり前、それ故に役的にはハードなのだが、石井組からブレイクした女優も多く、フィルモグラフィーを見ると意外な人が出演していて、そして決まって脱いでいるのも特徴。余貴美子大竹しのぶ井上晴美喜多嶋舞夏川結衣石井隆監督の映画では全員ヌードになっているのである!つまり佐藤寛子も………ええ!その通りですよ!あんた偉いよ!すげぇよ!

ただ、佐藤寛子もすごいんだけど、今回は大竹しのぶ井上晴美の怪演がすさまじい。モンスター級である。悪魔のような女とはよくいったもので、正直、後半は佐藤寛子のヌードがかき消されるほど………

怖いよ!この三人ホントに悪魔のような女だよ!

まぁ正直、ハードなシーンが連打されるだけにかなり観る人を選ぶし、こういう映画に露骨な嫌悪感を抱く人もいるだろうが、映画は見世物なんだから血とおっぱいを見せてなんぼだ!バカヤロー!純愛映画死ね!新潟でも公開されたのは奇跡というほかないが、もし他の地域でも観れる方がいましたら是非劇場へ!1800円の元は充分とれまっせ!あういぇ。

ヌードの夜 デラックス版 [DVD]

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