『サバイバル・オブ・ザ・デッド』鑑賞。レンタルDVDで観たのだけれど、今回の予告編は内容に合わせてホラー映画ばかりで楽しかった。
なんちゃらオブ・ザ・デッドと付いてしまうとついつい観たくなってしまうロメロ御大待望の新作。もうあいかわらず良い意味で円熟味ないというか、いつまでもフレッシュなゾンビ映画を撮り続ける御大のフレッシュな新作って感じ。予測の付かないストーリーテリング、ストレートな教訓、ゾンビがいるということが日常化してしまってるので、それをそっちのけで人間同士が争うという内容とドコを切ってもロメロ印。故のバツグンの安定感と安心感。ゾンビさいこー!
今作はあるひとつの島を巡って、ゾンビを生かしておくか、ゾンビを殺すかで対立している人間たちのおはなし。そこに主人公一行が巻き込まれていくという形を取っている。前半は至って普通のゾンビ映画だが、後半からは舞台や衣装からも分かるように西部劇の様相。マルドゥーン一族は敬虔なキリスト教で神の教えを忠実に守り、ゾンビを「蘇って来た人間」扱いしているので尊いものとして生かしておくという。死者は眠らせておくべきと考えるオフリンはマルドゥーン一族に数で負けており、そのため彼はネットで無害な島があるということをアピールし、そこに募って来た人を脅して、仲間として島に送り込んでいたのであった。
ゾンビを飼いならすというのは『死霊のえじき』でも描かれていたが、今作ではそれをさらに突き詰めたような内容。軍人と研究者の一触即発を描いた『死霊のえじき』とは違い、今作はわりかし牧歌的なムードもあって、絶望感は非常に薄い。代わりに描かれるのは、人間同士は争うことがとどのつまり好きなのではないか?という部分であり、両者の一族のリーダーは最後の最後まで争いながらも相手を殺すことは考えない。
『ランド・オブ・ザ・デッド』以降、CGというツールを得てからはゾンビを破壊する描写がとても素晴らしいが今作でもそれは健在だ。ジョン・カーペンターもよくやるが、人体破壊とCGというのは個人的に相性がいいと思っていて、死者としてのゾンビが本当にモノとして崩れ落ちるように無機質に破壊されていくさまを表現するのにこれほど打ってつけのツールもない。ゲームのようで生気がないかもしれないが、まぁゾンビは生気ないしね。
というわけで『ランド・オブ・ザ・デッド』以降も傑作を撮り続けてる御大の間違いない作品なので安心して観ていいと思う。特に初期のゾンビ三部作が好きな人は「あの感じが帰って来た!」という感じで燃えるのではないだろうか。
ちなみにちょー余談になるが、ぼくはロメロのゾンビ映画の中では意外と『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』が一番好きだったりする。あと『死霊のえじき』かな。もちろん『ゾンビ』も死ぬほど好きだけどねー。あういぇ。
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