くりごはんが嫌いな男の2012年ベストムービー

さぁ、今年もやってまいりました。毎年毎年観てる本数が少ないと嘆いてますが、今年はダントツで少ないです。48本という体たらく。なんでだろうと思ったら、犬が高齢になり、介護が必要で外にあまり出れなかったというのと、伯父さんが末期ガンで余命いくばくもない状態になってしまって、それでドッタバタしてたからなのでありました。しかも昨日から新潟は雪が積もっていて、タイヤも変えておらず、このままでは映画館はおろか、レンタル屋にも行けないので、結局今年観そびれた映画を追うことも出来なくてですね………それでも毎年恒例企画なので、発表いたします。あんまし参考にもならないし、たいしたことありません。

それではベストムービー2012の発表です!

1.Chronicle(クロニクル/日本未公開)
2.Project X(プロジェクトX/日本未公開)
3.The Cabin in the Woods(13年春公開。邦題「キャビン」)
4.ブラッディ・スクール(日本未公開。DVDスルー作品)
5.ドライヴ
6.哀しき獣
7.ザ・レイド
8.ムカデ人間2
9.セルビアン・フィルム
10.小悪魔はなぜモテる?!(日本未公開。DVDスルー作品)


1.はPOVで撮られた超能力モノ。「クローバーフィールド」をその年の一位にしたが、この方法ならどんな絵空事でもリアルになるというのを改めて思い知らされた。POVが持つ弱点を克服し、さらにその持ち味を存分に活かした傑作。東野幸治も注目しているこの作品の日本公開はまだか。

2.も同じくPOVによる作品。童貞三人組が計画したパーティーの暴走と成れの果て。いわゆるピラニアが襲って来ない『ピラニア3D』であり(リア充にたいするひがみもない)、後半一時間の多幸感は今年ダントツ。こちらも日本未公開。

「キャビン」というよくわからない邦題になってしまった3.はホラー映画の定石を守りつつ、思いっきりパロディ化するというありそうでなかったような内容。東京で上映されたときは画面が暗くて何が起こってるかよくわからなかったようだが、そのクライマックスからラストにかけてがハンパなくすごい。こちらも公開が待たれる。

4.はジョセフ・カーン監督のスラッシャームービー。何が起きているのか?一体どういう映画なのか?がさっぱり理解出来ず、さらに人にも説明しずらいのだが、全編これPVのようなかっこいい映像がジェットコースターのように次から次へと出てきて、まったく飽きさせない。映画になってない映画の極北。

5.は今年賛否が最も別れた作品だと思うが、やはり高倉健メソッドの演技で鈴木清順アナーキーさがぶちこまれた西部劇としては支持しなければいけないだろう。個人的にはウォン・カーウァイの「いますぐ抱きしめたい」を彷彿とさせた。ちなみに今年の中で一番回数を観た作品でもある。何故か親父もこの映画を絶賛していた。

今年も韓国映画がアツい!6.は去年でいうところの『悪魔を見た』枠。物語としてはいびつだが、圧倒的なバイオレンスと勢いで見せきるすごさ。これからもナ・ホンジンにはおおいに期待したいところ。

7.はインドネシアから出てきた10年に1本のアクション映画。マーシャルアーツムービーとしてのエポックメイクの誕生。

8.はホラー映画に影響されて、映画の中で行われていたことを実際にやってしまうというところがフィクションながらリアルでとても怖かった続編。画がとてもリッチになり、不快指数もアップしたが、映画としてとてもおもしろかった。

9.も同じく不快指数全開ながら、リンチ的な不条理世界に少しずつ足を踏み入れて行く感じが怖くてよかった。「8mm」という映画にも似ていた。

10.も日本未公開ながらとてもよく出来ているコメディ映画。古典をベースに宗教的な部分にまで踏み込んでいき、さらに映像で主人公の置かれてる状況などを説明していくというウマさ。テーマ的には重いのだが、それをさらっと描いていくあたり、アメリカの懐の深さみたいなものを感じる。


【総評】

今年は賛否両論の映画がたくさんあった気がした。故にぼくが選んだ作品のほとんどがワーストだという人も恐らくいるはずで、それくらい作家性が色濃い映画がランクインした。

未公開の映画ばかりあげてしまったが、実際おもしろかったのだからしかたがない。去年同様、2012年公開の映画が少ないのもどうかなと………それでも「アベンジャーズ」や「ヱヴァQ」、「エクスペンダブルズ2」、「ドラゴン・タトゥーの女」など間違いない作品も多く、どれも観てる間の多幸感はハンパなかったが、おもしろいと好きは違うので、これらの作品はランクインせず。日本に関しても「へんげ」や「先生を流産させる会」などの自主制作映画が素晴らしく。ギリギリまでランクインさせようか迷ったほどでこれからも期待が高まる。他にも「悪の教典」、「黄金を抱いて翔べ」、「アウトレイジ・ビヨンド」、「DOCUMENTARY of AKB48」、「ヤング・アダルト」、「ヒューゴの不思議な発明」、「プロメテウス」が特におもしろかった。「ベルフラワー」、「ミッド・ナイト・イン・パリ」、「桐島、部活辞めるってよ」など、評価が高いのに観てない映画も多く、きっと来年には完璧なベストとして仕上がってるはずである(去年のベストも結局今年の頭くらいに完璧な状態としてツイートしたし)。

あと大絶賛されている「サニー」はそうでもない派であるということだけは付け足しておきたい。


ちなみにワーストは『へルター・スケルター』でそれ以外はどれも普通に楽しめました。なので今年はワースト5の発表はなし。