『不都合な真実』が予言した未来

しかし今日も朝から暑い。加齢のせいか体感もふくめて、年々暑さが増しているような気がするが、NHKのニュースでも毎日のように「猛暑」を連発していて、やっぱりそうかと思う。こないだなんて41度を突破したところもあった。

それに便乗し、41円という値段でかき氷を販売したら大繁盛なんていうほほえましいニュースもあったが、いやぁ猛暑になって良いことなどなにひとつもない。洗濯物くらいは簡単に乾くかもしれないが、そもそも身体がダルいし、汗は止まらないし、ビールがうまくなるかと思えば、あけた缶ビールはすぐ飲まないとあっという間にヌルくなるし(ビアガーデンなんていわずもがな)、常時クーラーをつけてなければならないし、冷たい飲み物ばかり飲んじゃうし、寝たら大量の汗をかいて起きるし、身体によくないことばかりな気がしてならない。その影響もあるのかどうかはわからないが、最近では死人だって出ているしまつで、むかしは寒さで死ぬヤツはいても暑さで死ぬヤツはいないなんていわれたもんだが、いまや逆転しているように思える。

それだけでもうんざりなのに、最近だとこれにゲリラ豪雨なるものが加わってきた。こないだはどっかの街で雷が落ち、さらにヒョウが降った。今日も北海道で集中的に雨が降るらしい。

こういったニュースを連日のように見ていると、ああ『不都合な真実』が言ってたことはホントに起きるかもしれないなと思ってしまう。

この映画が日本で公開されたのは2007年の1月。そのあとにBSで放送されており、計二回観ているが、そのなかでいまでも鮮明に覚えているところがある。

このまま温暖化がすすむと、降水量が増加するというくだりだ。海から蒸発した大量の水分が嵐によって一気に落ち、集中豪雨となって直撃するという。まさにここ最近日本でおきている異常気象のひとつである。なぜ鮮明に覚えていたかというと、真夏にそんなことが起きるとは夢にも思っていなかったからで、猛暑日がつづくというのはある程度予想のはんちゅうだったが、そのはんちゅうを越えたことだったので逆に覚えていたのだった。実際こんなにも各地でゲリラ豪雨が!なんていうニュースを頻繁にみることになるとは思わなかった。

映画のなかでは黙示録を思わせるような大災害が相次ぎましたなんて言い方をしていたが、たしかにヒョウが降ったというニュースを見たときはそれを思わせた。夏なのにヒョウが降るとはどういう現象なのだろう。Twitterでも「世界の終わりがきているようだ」みたいなツイートを見かけたが、そうつぶやいてしまうのもよくわかる。

黙示録といえば、この豪雨によって二次災害的なことが起きているということだ。NEWSのライブは中止になりパーナなるものが翌日のライブに参加するため治安の悪い街にあふれ、Twitterではそれにまつわるリツイートがとびかった。花火大会でゲリラ豪雨が降ったときは帰宅する人々が駅に殺到し帰れなくなるなんてこともあった。たかだか雨のせいでこんなことになるなんて。まさにしりあがり寿先生の『方舟』の世界であるが、あれもよく考えたら、ありえない話ではないのだ。

政治や経済のことはよくわからないが、やれ日本は軍国主義化するのではないかだとか、やれ財政危機によって消費税が……だとか、いや、それ以前にもいろいろ不安になるようなニュースは溢れていたが、実は「今そこにある危機」なのは、地球そのものなんじゃないのかと思えてきた。別に不安をあおるつもりはないが、公開から6年経った今。もう一度『不都合な真実』という映画を観ておく必要があるのかもしれない。厳密にいえば、この映画とは関係のない集中豪雨かもしれないが(実際、日本以外はどうなっているんだろうか)、そんなことを思った夏の日の午前であった。

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方舟

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