意外とアクセス数が伸びないと仰ってましたが、年末恒例ワッシュさんの映画ベスト企画。今年はSF映画のベストテンということで、当然ながら今年も参加させていただきたいと思います。この文章自体去年のものをコピペして改変してみた(どうでもいい)。
1.GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(95年 押井守)
2.妖星ゴラス(62年 本多猪四郎)
3.サイレント・ランニング(72年 ダグラス・トランブル)
4.THX-1138(71年 ジョージ・ルーカス)
5.ラ・ジュテ(62年 クリス・マルケル)
6.トゥモロー・ワールド(06年 アルフォンソ・キュアロン)
7.バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(89年 ロバート・ゼメキス)
8.フィフス・エレメント(97年 リュック・ベッソン)
9.ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀(86年 ウィラード・ハイク)
10.ロボフォース/鉄甲無敵マリア(88年 デイヴィッド・チャン)
【作品解説と選んだ理由について】
好きなSF映画は?と聞かれて真っ先に答えるのは『2001年宇宙の旅』と『ブレードランナー』であり、これらが金字塔であることに異論はないと思うが、実はこの二本が描こうとした哲学的な部分を90分以内にまとめ上げて内包し、さらに『マトリックス』に多大な影響を与えたという意味で、ぼくにとっての一位は『攻殻機動隊』で揺るぎないなと思った。『アポカリプト』とか『エグザイル/絆』『キル・ビル』を選ぶのと同じ理由である。特性としては『魔法少女まどか☆マギカ』もそうであり、これもランクインさせたかったのだが、いかんせんTV版のダイジェストといえる劇場版を観ていないので……
『妖星ゴラス』は正確に分類するなら「特撮映画」ということになるんだろうが、得体の知れない惑星が地球にぶつかってくるので、地球そのものを動かして惑星をかわそうという発想に感服。『アルマゲドン』や『ディープインパクト』よりも遥かに早い和製SFの傑作。
『サイレント・ランニング』は『WALL・E』の元ネタともいえる作品だが、実は『天空の城ラピュタ』にも影響を与えている一本。ゲームの『クロノ・トリガー』にもそのプロットがパクられたほどで、冒頭の映像はどうやって撮影したのか未だに謎。タルコフスキーかよと思った。
『THX-1138』は今年になってはじめて観たのだが、とてつもない大傑作で死ぬほど感動した。その後のSF映画に多大な影響を与えたのがすぐわかるくらいのエポックメイクっぷり。スピルバーグいわく『ブレラン』にも実は影響を与えているとかなんとか。CGで手を加えたバージョンを観たのだが、それがかえってよかったのかも『スターウォーズ』よりも好き。
『ラ・ジュテ』はSF映画というよりも映画そのものが何か?ということまで考えさせられる超大傑作。表現としては反則スレスレな気もするが、実験精神にあふれているのにおもしろく、さらにその後のフォロワーがでてこないほど完成されているのもすごい。『12モンキーズ』はこれにギリアムのレトロキッチュ感覚とミステリー要素を足したリメイクである(こちらも傑作)。
『トゥモロー・ワールド』は単純に『ブレラン』と『未来世紀ブラジル』に並ぶ金字塔だと思うから。『マトリックス』よりもぼくはこちらを推す。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』は他の人にとっての『スターウォーズ』にあたる作品であり、SFの楽しさを教えてくれたから。空飛ぶデロリアンが持つセンス・オブ・ワンダーに勝るものなし。ディストピアな世界もしっかり描かれ、ホバーボードやオートマチックのスニーカーなど、とにかくガジェットがすばらしい。
『フィフス・エレメント』は『マトリックス』が出るまえのサンプリングムービーで、ブレランもAKIRAもカンフーもジョンウーテイストもすでに入っており、ベッソンが実はオタクなんだなということがよくわかる一作。冒頭20分がややタルイものの、メビウスのコミック世界を完璧に再現したビジュアルはもっと評価されるべき。
http://d.hatena.ne.jp/katokitiz/20091113/1258091931←こういうエントリを書いといて『ハワード・ザ・ダック』を選ばないのはさすがに……
『ロボフォース/鉄甲無敵マリア』はWOWOWで放送した際、予告の段階で「はいはい『ロボコップ』のパクリねー」と思って観たらあまりのおもしろさに感動したから。ぼくのおかんの生涯のベスト作でもある。
【総括】
実は今回、かなり難産だった。というのも「SF映画ったらいっぱいあるぞー、まず「2001年」と「ブレラン」でしょー。それからー「未知との遭遇」とー「未来世紀ブラジル」……」と思いつくままに選んでいったら恐ろしくつまらないベストテンになってしまったからである。
ホラー映画のときはそれらを意識して排除したわけではなかったのだが、それら以外で好きなSF映画というと意外と多くなく、さらに選んだはいいけど「あれ?これって正確に分類するならSF映画ではないよな……」と「SF映画とは何か?」という根本的な問題にぶちあたってしまい時間がかかった。まぁ毎年明確な定義付けは関係なく自由に選んでほしいというコンセプトなのでその辺は問題ないのだけれど。
いろんな作品をノートに書き出してこねくり回した結果、ホラー映画のときと一緒で「個人的なSF感」が色濃く反映された10本になった。やっぱり『ブレードランナー』は入れたほうがよかったんじゃないかなーとか、ワッシュさんが選んでいたように90年代以降、CGの技術が飛躍的に向上してからの作品のほうが印象に残る作品多かったよなーとか思ったりもしたが、それを凌駕する気概に満ちた作品も多くランクインした。
選ぶのは楽しかったが『スターシップ・トゥルーパーズ』と『リターナー』が入れられなかったことが最大の心残りである!!!あと『マーズ・アタック』も!!
――――こういうこと言い出したらキリがないのでやめます。あー『アンドロメダ…』も入れ忘れちゃったよ…