黒い絵


シャバゾウblogのQTさんの記事からとんでもない映像作品を発掘した。これはホントにすごい!90秒のCMなのだが、これは立派な作品だ、これを企画して監督した人は誰なんだ!?!?これは本当に嫉妬するというか、悔しい。こういうのならば、私も撮ってみたい。小説のショートストーリーとかラーメンズのコントもそうだけど、短くて感動出来るってなかなかすごい事だと思うんですよ。しかもこの場合は90秒でしょ?90秒で90分映画を見た後と同じくらい感動させるって凄腕ですよ。自分も例えば長文でレビューを書いても、三行くらいでそれ以上のモノを書く人もいるわけじゃないですか。まぁそういう事ですよね。長く書く事よりも短くまとめる方がやっぱり腕としては上だと思いますねぇ。

『黒い絵』は授業中に先生が絵を書かせる所から始まる。『みんなの心に浮かんだ事をそのまま書けばいいんだからね』と、だが、その中に1人だけ、ひたすら紙を黒く塗りつぶす子供が居た。異常に思った先生が両親に相談。その子は施設に入れられる。何で黒く塗りつぶしているのか?というのをその子は誰にも話さない。部屋中が真っ黒な紙で埋め尽くされていく。この子は何故紙を黒く塗りつぶしているのだろう…

必要最低限なカットを用意して、見てる方に状況説明させるための映像がうまい。短いカットをとにかく積み重ね、90秒の中に30分くらいで見せなくてはならない情報を詰め込んでいる。これはヘタしたら破綻しかねない手法だが、確かな構成力と演出力で描ききっているのだ。しかも『ヴィレッジ』の記事でも書いたが、“物語の結末を最後まで教えない”という意味では『黒い絵』はサスペンスですよ。これは本当に素晴しい!ネットで調べたのだが、この監督は誰なんだ!?!?しかも実話が元になったらしいです。すげぇなぁ…

まぁツッコミどころもあるだろうけど、それよりも感動の方がでかかった。こういう作品をさ、映画に置き換えなきゃダメなんだよ!シンプルイズベスト!『NANA2』なんて2時間20分あって、腹が立ったのに、こっちなんて90秒で大感動だからね。

しかし、あの医者の役は鈴木清順さんかな?