『アイ・アム・レジェンド』


14時に『アイ・アム・レジェンド』鑑賞。マイミクさんなども含め、ホントに真っ二つの賛否両論に別れている作品で、「クソつまらん!」という人と「すげぇおもしろい!」という風になってる。

まぁ感想から言うと、そこまで悪くない。悪く無いと言うか、最初の1時間はとてつもなくおもろい!もっと言うと、最初の20分はけなすところもなく完璧!である。

ぶっちゃけ原作も読んでなければ、その映画化された方も観てないという体たらくっぷりだが、これ、どうしてもダニー・ボイルの『28日後』を思い出してしまう。無人と化し、さらに軽い廃墟になってる街並は素晴しく。音楽という音楽も鳴らずに主人公が好んで聞いてるボブマーリーだけが流れるという徹底っぷりで。『コンスタンティン』同様に「神を信じてない!」という事を明確に言ってるのも良かった。正直、かなりワクワクしながら、観たのだが、どうも犬のくだりから、ズルズルとテンションが下がり始め、そこからの展開は……である。

というか、かなり強引だし、無茶苦茶だし、唐突に映画が終わるため呆気に取られた人も多いんじゃないだろうか?

個人的にやっぱり世界から人が消えて、たった一人生き残るってすげぇ興味ある世界だから、そこを生活するっていうところはやっぱりグイグイ引き込まれるわけよね。でも『28日後』もそうなんだけど、生活するところが1番盛り上がるわけで、決着をつけるとなると、そういうシーンが終わってしまうという悲しみと、じゃあ、そういう楽しいシーンに匹敵する終わり方をお前らちゃんと用意してんだろうなぁって感じるわけで、ミステリーなんかも謎に包まれてる時が1番テンションが上がるんでね、バラし始めるとタネ明かしみたいになる。『キャスト・アウェイ』の後半しかり、『28日後』しかり、どうしても余計なもんに感じてしまう。『アイ・アム・レジェンド』もそういう作品であった。なにしろ繋がらない伏線が山盛りで?マークが点灯してたし。

あと、気に入らないのはウィル・スミスのクローズアップとバストショットがやたら多かったところ。銃を構えて、はぁはぁ言ってる印象しかない。あと、ゴルフするとこと(笑)ウィル・スミスじゃない方がリアリティがあるって思ったんだけど、ミクシィで私の入ってるコミュにこんな意見を言ってた人がいて。

>私はウイル・スミスだからこそ、多少なりともリアリティが出たんじゃないかと思いますが。 白人はどうもウイルスとかに弱そうな気が…

という部分に激しく納得してしまいました。だったら『スウィート・スウィートバック』のあいつを出せ!白人だったら『トゥモロー・ワールド』のあいつだ

以下ネタバレも含む気に入らないところ
・ウィルスミスの役職は何?どっちなん??ハッキリせい!

・結局感染者の脳が退化してるのか、してないのか分からん。頭が良いようなところを描いておいて、最終的に何がしたかったのかわからん、だったら丸々罠のくだりはカットしてもいいはず。

・どのようにウイルスが作られ、どのような症状が広がり、どのようにして世界は滅んでいったかの説明がない。もっと言うと感染者達が闇の中で行動するため、隔離された街の中で殺戮があってもいいはず。

・1200万人も生き残ってるのは多くないだろうか?もしそんなに居たらそれなりの技術者、例えば、医者だとか、ヘリが操縦出来るヤツだとか、居てもいいわけで、通信手段にしろ、誰かを探すにしろ、いろいろ出来るはずである。これは原作を読んでないのであまり強く言えない。

・夜の内につけられてるくせに、ウィルスミスが回復してから襲ってくるのはどうかと…

・ウィルスミスは独りで感染したネズミから研究を始めてるが、その前にガンの特効薬がウイルスならば、人体に試す前に同じようにモルモットで実験するはずだ。だから、その時点で危険なウイルスかどうかは分かるはず。

・バッテリーが死ぬほど残ってるのは分かるが、それにしても電気を無駄遣いしすぎ。

・ラストがああならば『アイ・アム・レジェンド』は明らかに間違い。『ヒー・イズ・レジェンド』が正解。
ネタバレ終了

まぁ、とにもかくにも「ん?」と思える部分もあったが、絶対に楽しめる事は間違いない。なんつったって『トゥモロー・ワールド』と『宇宙戦争』と『28日後』を彷彿とさせる映画だからだ。