好きな香港アクション

ドラゴン特攻隊 [DVD]

ドラゴン特攻隊 [DVD]

んで、起きて『ドラゴン特攻隊』のクライマックスだけ鑑賞。この映画、恐らくバカ映画のベスト10を作ったら、絶対にランクインする事間違い無しの意味不明な映画で、初めて観たのは小学生くらいだったと思うが、私はジャッキーが出てればそれで満足な人だったために、よく、この映画をビデオで繰り返し観た。んで、去年だったかにハードオフで500円で売られてるのを見て、即買いしたわけだが、久しぶりに見るとこの映画はホントに意味不明で、何を意図して作ったのかよく分からない。まず、ジャッキーが主演となってるのに、出てくるのは中盤とクライマックスだけ(笑)さらに出演者の格好が、ギリアムの『バロン』みたいで、どう考えても時代錯誤。ナチ、日本軍、セクシー、カンフー、アマゾネス、幽霊、サムライと何故それを組み合わせる?というものがてんこ盛り、それなのにもかかわらず、映画はものすごくつまらないという、まさにカルト映画である。もっと言うとクライマックス以外見せ場は1つもなく。どうでもいいくっだらないギャグが延々続くだけ。

ジミー・ウォングが製作に関わっていて、ジミーさんも出てくるのだが、『片腕ドラゴン』とか『吼えろドラゴン』のような素晴しい映画になってないのも不明。

だが『ドラゴン特攻隊』が素晴しいのはなんといってもクライマックスだ。まず大量の車が建物を破壊しながら来るのだけれど、そこで妙なバカバカしい音楽がかかるので、迫力あるシーンなのに、思わず笑ってしまう。何故あんな音楽をつけたのかは不明(笑)

んで、その後、『ワイルドバンチ』ばりの大銃撃戦が始まるのだが、それまで理解不能のギャグばっかり出てくるのに、ここで主人公達がどんどん殺されていって、スケールの大きな音楽が流れ、それぞれの死がリアルに描かれ、妙に感動的になる(笑)

んで、主人公達は全員ぶっ殺されて、それまで出て来なかったジャッキーが大活躍し、『ワイルドバンチ』よろしく、敵のマシンガンを奪い取って、何百人の敵を全員撃ち殺す。そこに仲間の大将(ジミー・ウォング)が出て来て、今度はその大将が裏切り、最後の生き残りまで撃ち殺し始める。ジャッキーは見事に生き残り、敵が乗って来た車の中に隠れるのだが、何故か、その車のワイパーが勝手に動いて見つかる(笑)

そこから始まるラストのジミー対ジャッキーの決闘シーン。これはファンにとっては嬉しいシーンだ。ジャッキーも体を張った見事なスタントを披露している。ジミー・ウォングの持ってる拳銃の弾が切れ、そこからは例によって、カンフーで決着を付ける事になるのだが、このシーンのジミー・ウォングが執拗に強く、子供の頃、すごく怖かったのを今でも覚えている。ここでジャッキーが刺されたりして、すごく痛そうでこのシーンはトラウマになってて、今でも見るとなんか、変な気分になる。怖いよ、ジミーさん怖いよー。

この間、仕事した時にジャッキー・チェンの話から香港映画の話になって、それで好きな香港映画を言い合ったので、それを心のベスト10にしてみました。私はわりかし香港映画が好きな方ですが、そう言えば好きなもんでベストなど作ってなかった事に気付いたので。香港映画と言えばアクション、しかもカンフーと武侠という事で、ジョン・ウーウォン・カーウァイは除外。

第10位『大酔侠』

キン・フー監督の大傑作にして、『東海道四谷怪談』の西本正の撮影が冴え渡る1品。『侠女』『迎春閣之風波』『忠烈圖』『残酷ドラゴン』など、どれも傑作だが、個人的にはやはり『大酔侠』ワイドに捉えるだけでなく、優雅にパンさせ、スケールもスピード感も両方感じさせるのはさすが西本正。それだけでなく、卓越した編集技術が素晴しく、日本でも少数の評論家が“最高の監督の1人”と評価している。戦うヒロインものとしては『グロリア』よりも早いのが特徴。映像のキレイさはさすがキン・フーで、チャン・ペイペイの美しさにもうっとり。

第9位『ペディキャブ・ドライバー』

ペディキャブという自転車タクシー運転手の恋とケンカの日々を見事に活写したサモハンの最高傑作。血みどろの復讐劇で後味もかなり悪く、惨殺シーンは観てて胸が痛くなるほど。元々『イースタン・コンドル』しかり『ファースト・ミッション』しかり、シリアス指向であるため、『ペディキャブ・ドライバー』の設定や演出もかなり重く、泣かせる。怒濤のアクションシーンとカンフーシーンは最も脂がのってる頃だけにスピード感も抜群。特にペディキャブと車のカーチェイスは迫力満点。観て損無しの娯楽超大作。

第8位『少林寺三十六房

言わずと知れたリューチャーフィーの傑作中の傑作。ジャッキー映画の修行シーンが好きならば、この映画はほとんどのシーンが少林寺での修行なので、傑作になる事間違いなし。ラストの頭突きで急激にシーンが変わり、終わりになるところは何度観ても爆笑する。時間経過がよくわからず、急に2〜3年経ってるところも素晴しい。

第7位『ドラゴンロード』

ジャッキー映画の中では1番好き。1番カンフーアクションが出て来ない映画だと思うが、それでもジャッキー映画という風に感じさせるところが素晴しい。セパタクローのシーンは何度観ても鳥肌もん。『ヤング・マスター』に次いで、ウォン・インシックが再び出てくるところも好き。

第6位『キング・ボクサー/大逆転』

この映画がアメリカでヒットした事で『燃えよドラゴン』が作られるきっかけになったショウブラのカンフー映画。いつも悪漢のロー・リエが主演しているが、これが素晴しい。悪役なのにもかかわらず、主演をやれるのはさすがロー・リエ。残虐的な描写もあるが、これぞオリエンタルなアクション映画の魅力。直接とは言わないが『ベスト・キッド』にもなんらかの影響を与えたのではないかと。怒りがマックスになると手がオレンジ色になり、スーパーサイヤ人のようなパワーを持つのには爆笑。なんつったって素手で大木をへし折るわけだから(笑)この間コミュ作りました。よかったら入って下さい。

第5位『新・片腕必殺剣』

片腕必殺剣シリーズではダントツの完成度と美意識。チャン・チェ監督の見事な演出。特にクライマックスの100人切りは香港映画史に残る究極のアクションの1つ。ブレイクダンスのようにぶった切るアクションは『キル・ビル』にも引用された。

第4位『ブレード/刀』

前にも記事にしたばっかりだが、熱狂的に好きな作品で、何度観ても飽きないし、何度観ても興奮する。ツイ・ハークがリメイクした作品はどれも好きで、『スウォーズマン』や『ワンチャイ』製作をした『ドラゴン・イン』などあるが、ジャンル映画の再構築という意味ではこれが最高。『片腕必殺剣』のリメイクだが、あきらかにオリジナルを越えた美意識とパワー。ションシンシンとチウマンチェクのかっこよさ、黒澤映画を彷彿とさせる馬や雨の使い方、宿場の造形、血なまぐさいアクション、なによりもどうやって撮影してるんだ?というアクションシーンが素晴しく。これはホントにリマスターされたキレイな映像で何度も何度も見続けたい。ストーリーは分かりにくいし、意味分かんないところもあるが、もっと評価されてもいい傑作。

第3位『吼えろドラゴン!起てジャガー!』

ジミー・ウォングがカンフーアクションというジャンルを作り上げた作品で、エポックメイクとなった傑作。カンフーはヘタクソなのだが、全編に渡る見せ場の多さと、監督としてのジミーウォングの演出が素晴しい。下から煽って数人の顔を撮るというのはタランティーノにもそのまんま受け継がれる。シュールな修行シーン、マカロニを思わせる決闘シーン、100人切りの大カンフーシーン、映画自体がとにかく傑作過ぎて、初見の時にマジで驚いた。その後何度も観る。

第2位『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明』

世間的には『天地大乱』なのだが、個人的にはやはりアクションシーンが全編に散りばめられた『天地黎明』がベスト。クライマックスのハシゴの投げ合いは大スクリーン(ホームシアター)で観たのだが、涙が出そうになった。黒澤映画を思わせるシーンもちらほらあり、ツイ・ハークはこの映画で監督として素晴しい事を再認識。香港アクションとしては『狼』に並ぶ金字塔。個人的にチウマンチェクになった5も同じくらいの傑作だと思う。

第1位『ドラゴン怒りの鉄拳』

文句無し!ぶっちぎりの第1位!ブルース・リーの中では1番好きで、復讐映画としても傑作中の傑作。ラブロマンス、復讐、中国人のアイデンティティ、ミステリー、サスペンス、陰謀、コメディと、映画の中に様々な要素が詰め込まれ、さらにブルース・リーの魅力が開花したのもこの作品。その後、ジャッキーとドニー・イエンとジェット・リーがリメイクしてるのも納得の金字塔。

今日から香港映画を観続けようと思ったのだが、これから『スネーク・フライト』でも観ようかと(笑)妹のお気に入り映画で、友達に貸しまくってて、なかなかDVDが返って来なかったんでね(汗)

吼えろ ! ドラゴン 起て ! ジャガー [DVD]

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キングボクサー 大逆転 [DVD]

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