再び『さらば青春の光』を観る

さらば青春の光』のDVDを観るが…別に画質が飛び抜けていいわけでもなく、5.1になってるわけでもなく、しいて良い所を言えばチャプターが付いてるくらいで、もっといい仕様で出せばいいのになぁと心の底から思った。

にしてもだ『さらば青春の光』はホントに素晴しい。この丹念な風俗描写。映画には関係無いシーンが山ほど出て来るが、それが『さらば青春の光』の1番の魅力。レディ・ステディ・ゴーを観て親父が馬鹿にするとか、リーバイスを濡らしたまま履いて乾かすとか、もちろん他にもカッコいいシーンはいくらでもあるのだろうけど、

個人的に気に入ったシーンはモッズとロッカーズが戦うシーンで、ひたすら殴り合った後に、主人公とアバズレビッチがですね、いきなりセックスをするんですね。なんか、このシーンすげぇ印象的ですね。やっぱり暴力とセックスというのは、こう人間の本能というか、表裏一体というか、なんか結びついてるというか、不思議なシーンですよね。

なんか、殺人鬼が首締めて殺す時とかも挿入しながら殺したりするらしいし、『愛のコリーダ』とかでも、セックスしながら「首締めてぇ」とか言うし、そう言えば『キリング・ミー・ソフトリー』でも布で首絞めながらセックスしてましたなぁ。こういうのってなんなんだろう、やっぱり直結してるんかなぁ。自分でこういう経験って無いけど、なんか分かるというか、暴力と性っていうのは人間の本質なんじゃないか?ってキューブリックも問いかけてたけど、ちょっと裏表のようになってますよね。不思議。

あと『さらば青春の光』の冒頭はラストの続きになってるから、勘違いしないようにね。

実際、フレッド・ペリーの公式サイトでもちゃんとモッズパーカーの説明の時に『さらば青春の光』が引用されてる。やっぱり偉大な映画なんだなぁ、いやぁ、2回目だけどやっぱりおもしろい。

結構本屋に行っても、パンクのムーブメントに関する本は置いてあるんだけど、モッズに関するもんって無いのよね。だからパンクの方がムーブメントとしてはでかかったんだろう。

そう言えば『さらば青春の光』観て、ロドリゲスの『ロードレーサーズ』を思い出したよ。ロバート・ロドリゲスが撮った『ロードレーサーズ』は『さらば青春の光』に対する彼なりのオマージュなんだろうなぁ。『ロードレーサーズ』は昔観た思い出の映画で、1950年代を舞台にしたアメリカ版『さらば青春の光』アメ車、タバコ、リーゼント、皮ジャン、ロックンロール、今思えばホントに『さらば青春の光』に通ずるものがある。友人と会うとこの映画の話になったりするもんなぁ、今度ビデオ1で探して来よう。んで、ビール飲みながらその友人と一緒に観ようと思う。あういぇ。