主人公がピンチになった途端、ベラベラと喋り出す悪人


銃を持った主人公が恐る恐る悪人が居ると思われる場所に入って行くと、隙を付いて犯人が後ろから「銃を捨てな」とか言って、捨てさせる。後は主人公をズドンと撃てば、その悪人は助かるのに、何故か延々と自分の話をし始める。そしたら、その話の間に主人公の仲間がこそこそとやって来て、犯人が撃とうとした矢先に、仲間が肩かなんかを撃って、間一髪のところで主人公は助かる。

または「このスイッチを押せば、このビルは爆破されるのだ!うわははは!」とか宣う悪人が、やっぱりスイッチを押す間にクドクドとなんでこんな事件を起こしたかを語り始めて、その間にやられて、爆破しないで、めでたしめでたし――――映画を観てるとこんなシーンに出くわすことがある。

あとは、仲間が人質に取られて、言うこと聞かないと、撃つぞと言って絶対に撃たないとか(まぁ、だからこそ人質なんだけど)

もういい加減これ止めない?

まぁ、こうやって書いてて、じゃあ何の映画にそういうシーンが出て来るのか?というのも具体的にあげられないんだけど、ぼくはこういうシーンが映画に出て来るだけで、冷めてしまうどころか、「ああまた出たよ!」という怒りすらちょっと覚えるくらいなのだ。

だって、このくだりが始まったら、主人公は助かるって相場が決まってるじゃないですか!

そりゃたまーに『殺しは静かにやって来る』みたいなことになったり(というか、本来はこの映画みたいなことになるのが普通だと思うのですが…)、ジョン・ウー御大に至ってはわざわざ弾切れした相手に自分の持ってた銃を一丁ぶん投げて、そこから再び対決がスタートするなんてことまでするんですよ!――――さすがにそれは対決というのを極限まで様式化したもんで、まるで違うもんになってるけど、他の映画ではなかなかそうはならないでしょう。

なんで、こんなことを書こうかと思ったかというと、今しがた久しぶりに『死霊のえじき』を観たら、あいかわらず、このくだりが出て来て、またかと思った矢先に裏切ってくれたので、そうか、そうか、そういう映画ならではの予定調和にならない映画もあるんだと、なんかスッキリしたのでとりあえず軽く書いておこうと思ったのであった、あういぇ。

というか、最初にこういう演出をした映画ってなんなんだろう??

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