そもそも選曲が48Gのベストオブベスト『NGT48 1ST ANNIVERSARY』

NGT48劇場オープン一周年特別記念公演とNGT48自体の一周年記念コンサート、そして劇場オープン一周年特別イベントを丸々収録した『NGT48 1ST ANNIVERSARY』のBDを購入して、全部観た。

7500円とわりと高額だが、購入に踏み切った理由はセットリストが神がかっていたからである。

ディスク1に収録されている劇場オープン一周年記念の方は、劇場“の”一周年なので、それこそ公演曲が中心のセットリストで、後半につれてシングル曲を中心に盛り上がっていくいつもの構成だが、それも「重力シンパシー」など、わりと地味な曲が選ばれており、あえて「会いたかった」をいれないなど、玄人好みになっている(そもそも「会いたかった」はもう聞き飽きている。あと収録されているが、個人的に「桜の花びらたち」も)。

そして圧巻なのはディスク2。NGT48発足一周年を記念したソロコンサートなのだが、こちらは48G全体のベストオブベストな選曲で、自分でプレイリストを作っても選ぶであろう神曲たちがずらり。曲順もDJセンス溢れるというか、このタイミングでこれが来るかね!と驚きの連続で、特に欅坂46の「サイレントマジョリティー」は当時コンサートに行ってた人は度肝抜かれたのではないだろうか。

もちろんそれだけじゃなく、NGT48というグループ全体を多角的に見せようという意図があり、曲によってセンターがコロコロ変わるのも魅力的。加藤美南による「愛しさのアクセル」は彼女の“ある特技”を活かした振り付けに変更されていて、完全にたかみな超えを果たしていて圧巻。衣装が合ってないように感じたNMB48の「ナギイチ」では兵庫県出身の太野彩香をあえて選んだり、Maxときの乗車時間に合わせたコンサートで、クライマックス前に「最終ベルが鳴る」が披露されたり、最初と最後で二回パフォーマンスをする「Maxとき315号」は振り付けを変えるなど、とにかくいちいち気がきいている。

あと全体のパフォーマンスへの言及だが、わりとアダルトチックでアーバンなナンバーであるSDN48の「佐渡へ渡る」がまったく違和感なく、もはやNGT48の曲にしてもいいくらいしっくりきているのも嬉しい誤算。そして、バラエティではその独特の声と顔をイジられまくる山田野絵が、非常に良い役回りをしていて、選抜に選ばれるのも納得。AKB48でいうところの宮澤佐江*1になるのだろうが、元々コメディリリーフ的なところがあるので、大仰なパフォーマンスであっても鼻につかず、むしろグループ全体の良いアクセントになっているのには驚いた。意外にダンスのキレもあり、マジメな表情であっても「すましてんじゃねぇ」とは言えない感じで、もはや彼女なしでの公演は考えられない。ビートルズでいえば変なことばかり言ってるわりにそれが曲のタイトルに採用されるリンゴ・スター的なポジションなのかもしれない。

あきらかにポンコツな動きだけど、精一杯がんばる西潟茉莉奈前田敦子のようにどの曲でも適応能力を見せる高倉萌香。ちんちくりんなのにも関わらず大きく見えるキレを持つ加藤美南、もはや安定感しかない柏木由紀などなど、NGT48自体の魅力も満載。さすがに箱推しでない限り購入に踏み切れないだろうが、少しでも興味を持っている方にはおすすめしたい。

*1:もう卒業したけど