小野恵令奈の芸能活動再開について
AKBという存在は知ってはいたが、秋葉原から出て来たキワモノアイドルくらいの認識しかなく、どちらかというと、「大勢でわちゃわちゃしやがって、チェキッ娘か!」くらいのアンチっぷりだったが、やまぐちりこデビューあたりから気になりはじめ、そこから彼女がAKBの時代にセンターを務めていた『よろしく哀愁』の換骨奪胎である『スカート、ひらり』という曲に出会ってから「あ、このアイドルはPerfumeやモー娘。との差別化をはかるために歌謡曲をそのままトレースしているんだ」ということに気づき、まず曲を聴くようになった。
それがちょうど『ポニーテールとシュシュ』でブレイクを果たしはじめたくらいで、総選挙が終わって数ヶ月くらいだったと記憶しているが、そのタイミングで過去AKBがNHKに出演した映像をまとめたリクエストアワードと代々木体育館でやったライブ映像が放送され、それが代表作をすべて網羅するという入門編にはピッタリの内容でそこから本格的にチェックするようになった。そして、その二つで大々的に取り上げられていたのが、小野恵令奈の卒業であり、彼女のことはここで知ることになる。そして、積極的に過去の映像やら、出演した『さんかく』なども観るようになった。
小野恵令奈は「『さんかく』に出演したことで、女優として刺激を受けました。なので本格的な女優になるために海外に留学する」という理由で卒業したのだが、卒業した後にヴィジュアル系バンドのボーカルと同棲していたことがバレ、もしかしたら、別れるか卒業するかを迫られ男を取ったんじゃないかという噂が広まっていた。そんな中、彼女は唐突にブログを立ち上げた。ファンは復帰への布石かなどと騒いでいた。
そして、そのブログでの電撃復帰発表というのが今回の流れである。
今回の復帰で「やっぱり留学してなかったんかい!」とか「男と別れて復帰か!」とか「今更遅いあとの祭り!」とか、いろんなことを言われている。ぼく自身も当時は小野恵令奈の卒業はまだ早かったんじゃないかなと思っていたが、今思えばあのタイミングでの卒業、このタイミングでの復帰はちょうどよかったのではないかと思っている。
まず、小野恵令奈はご存知の通り、一般的な知名度は無いに等しかった。第二回総選挙では15位という好位置につけているが、それはファンにとっての偉業であり、それ以外の人にとってはM-1の順位と同じく、中途半端な位置である*1、彼女の評価が決定的になる大傑作『さんかく』が公開されたのは奇しくもこの総選挙の後だったのだ。板野友美がCMに出演したり、指原莉乃がブログで注目されたり、SKEの松井玲奈が「マジスカ学園」での演技が評価されたのと一緒で、もし『さんかく』が総選挙の前に公開されていたら、彼女の順位が段違いに上がったことは想像に難しくない。
そして、AKB48というグループが国民的なアイドルとして大大大ブレイクを果たすのは実際この後である。主力のメンバーは大忙しになり、総選挙で選んだはずのメディア選抜メンバーがなんとメディアに出て来れないという事態に陥ってしまっていて、選抜が揃った状態を見れるのはMステかMJのみであり、メンバーたちも全員が顔を揃えるのは月に一回程度しかないという。レギュラー番組であるAKBINGOにエースの前田敦子が9ヶ月出演してないということも珍しいことではなくなり、小野恵令奈がまだ在籍していたら、このいそがしさに巻き込まれ、作品選びはおろか、女優としてのスキルアップに時間を割くことなど当然出来なかったはずだ。
正直『さんかく』での小野恵令奈は監督の演出もあってか、すこぶる魅力的であった。その後にこれに匹敵する作品と巡りあっていたら、次の総選挙はおもしろくなったのではないかとニラんでいるが、AKBが爆発的なブレイクを果たした横でしれーっとこのように復帰するのはこれはこれでおもしろい。AKB側も卒業してしまった娘の復帰に触れているのは異例中の異例だし、年始のリクエストアワードに「となりのバナナ」*2でサプライズ出演するなんてこともなくはない。
この復帰を機に、これからもキラキラパワー全開でえれぴょんを推していく所存である。あういぇ。
ただ、たかみなに「死ぬ気で頑張れ」と言われてたんだから、その辺はちょっと考慮して短期間でいいから留学はしてほしかったなぁというのはあるな……
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