新潟ラーメン備忘録 その4

前回の続きです。

ラーメン食堂 なんでんかんでん

新潟で二郎インスパイア系の礎を築いた「昔食堂なおじ」があの「なんでんかんでん」とコラボして作ったお店。以前、白根にあった「なおじ」にて期間限定で「なんでんかんでん」のラーメンを出していたが、いよいよまんをじしての登場となる――――ところがこのお店「なんでんかんでん」の名前だけを拝借した普通のラーメン屋だというのだ。普通の中華そば的なメニューがメインであり、その評判もあまり良くなかったので、食指が伸びなかったのだが、あまりにお客さんの要望が多かったのか、とんこつラーメンをつい最近解禁したという噂を聞いたので行ってみた――――「なんでんかんでん」は今まで二度行っていて、一度目は東京で、二度目はその期間限定コラボにて食した。その時に強く感じたのは、本場のとんこつラーメンっていうのはこんなにきついのか!?ということだった。今までとんこつラーメン好きを公言していたのが恥ずかしくなるくらいであり、新潟にあるとんこつはストーンズがルーツロックをじぶんのものにして出していたという感じであり、それに比べるとなんでんかんでんはまさにマディ・ウォーターズという感じ。あまりの濃さとこってり加減に一瞬拒絶反応を起こしてしまいそうになり、そんなこともあって、三度目はどうかと思ったら、今回の新潟バージョンはとんこつラーメンのワイルドさを残しながらも、いくぶん食べやすいものになっていた。メニューは東京とんこつとなっていたが、それにしては全然博多のとんこつらしさに満ちあふれている。ぶっちゃけここのとんこつはすでに2週間で3回も食べに行ってしまっていて、その理由のひとつに値段の安さがある。このとんこつラーメン、なんと650円で替え玉は二杯まで無料。さらににんにく、ごま、高菜、紅ショウガは入れ放題という太っ腹っぷり。さらに一度食べるとクーポンがもらえて、そのクーポンを使えば、次はそのとんこつラーメンが500円で食べれるのだ。しかも無期限である。今年行った新規のお店では一番好きで、またすぐにでも行きたいという感じだが、ただし「なんでんかんでん」という店自体はとても有名なので、今更好きというのもどうなんだという話であるが。



ダルマ食堂

新潟では有名な「だるまやラーメン」系列の新店。みそラーメンとチャンタンメンなるものを喰らった。みそラーメンは「ちゃあしゅうや武蔵」のような和風テイストであり、良い意味でみそ汁の延長線上のようなラーメン。これでもかと盛られた辛し味噌を溶かしながら喰らうと辛さと柔らかなスープの波状効果で飽きずに食べれる。個人的には後者であるチャンタンメンが圧倒的におすすめで、ちゃんぽんの具材でタンメンを作るというこれまたありそうでなかった一品。野菜増しにして、ショウガをプラスすれば、これ一杯で死ぬほど腹はふくれてヘルシー。店のメインは鶏を主役にしたラーメンらしいが、そちらはまだ喰らってないのであった。



松玉堂(しょうぎょくどう)

前回のエントリでも言及したように「酒麺亭 潤」系列のお店。鶏塩らーめんという淡麗系のラーメンがメインなのだが、燕三条系の背脂しょうゆもおいしいとの噂を聞きつけ、そちらを注文――――なるほど、確かにこれはうまい。今までの背脂しょうゆにありがちな弱点は全て解消。背脂からスープ、しょうゆ、麺、具材などすべてにおいて抜かりない。特に特筆すべきはチャーシューで、ステーキかと思うほどの分厚いチャーシューをなんと両面鉄板で焼き、外側がカリカリで中は熱々ジューシーという完璧な仕上がり。良い意味で噛みごたえのある固さがあり、ただ脂っぽくとろけるだけのチャーシューとは一線を画す出来。ただ――――とても残念なことに、ラーメン自体がヌルい。テーブルに来た瞬間に丼を余裕で触れるくらいだったので、丼を温めずに出したのだろう。背脂というのはラーメン自体の温度を下げないために入れているのに、そのラーメン自体がヌルかったらまったく意味がない。結果、一番熱いのはチャーシューというとてもヘンチクリンなことになってしまった。ラーメンのクオリティは天井近くまでいっているのに、これは非常に惜しい。もう一度、淡麗系でチャレンジしようと思うが、その時もまたヌルかったら、アンケートに「二度食べに行きましたけど、ヌルかったですよ」と書こうと思う。


肉拉麺 SEN(にくらーめん せん)

肉拉麺と謳ってるだけあり、チャーシューメンがメインのお店。スープは和風ながらもあっさりで、関西風うどんの汁という感じ、背脂を入れるかどうかを選択出来、さらにカウンターにはあげ玉と黒七味しかおいてないという変わったトッピングが魅力。黒七味が以上に合うし、麺もモチモチでツルツルである、チャーシューも二種類の肉を使っており、ひとつはかみごたえのある肉で、もうひとつはとろけるタイプ。しっかり炙ってあって香ばしさもあるのだが、いかんせん、スープがこの肉と麺に追いついていない。黒七味というインパクトのあるトッピングなのだから、もう少し、スープにパンチがあれば尚良いかと。ただ、こちらは背脂を乗せて食べたのだが、熱々で湯気も出て来ないほど、食べ終わるまでその熱さをずーっと保っていた。ラーメンはやっぱりこうじゃないと、ええ。


ということで、また新規のお店が溜まったらやろうと思います。あと『ラーメンと愛国』読んでましたが、まだ読み終わってません。ホントにすいません。あういぇ。

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

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