
- 作者: 岸川真
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2008/10/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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話も一段落したころ、酩酊した頭にて、携帯電話をいじくり、携帯からミクシィを開いてみたら、マイミク申請があった。
実は私にマイミク申請してくる人というのは少ない。いわゆる人数増やしたいです的な人や、怪しいネットビジネスしてます的な人や、セックスフレンド募集中という人などは何故か申請してこない。そういう足跡もまったくない。さらに自分からマイミク申請をするという事もほぼなくなってしまったので、マイミク申請が来て、さらにそのメッセージが『ブログ読んでます』というようなものだと嬉しいのでOKしてしまう。
今回のマイミク申請も同じように、「映画評大変興味深く拝見致しました。よろしければマイミクに」とメッセージが来た。その時は携帯からだったし、酩酊状態にあったので、どこの誰というのもよくわからないまま、もしかしたら、文章だけでは「冷たいかな?」という印象を持たせてしまったかもしれないまま、返信をし、マイミクをOKした。
翌日、その人から、メッセージが帰って来た。僕はその人のトップページを見たのだが、基本的に人のトップページを細かく見ない僕はその人がどういう人かも調べず、日記を読んだりした。どうもその人は出版社関係の人らしい。「らしい」という時点で失礼なのだが。
僕がミクシィを辞めない理由は、思わぬ職種の人とコミュニケーションがとれるところにある。それは自分にとって非常に楽しく、ネットでしかありえないコミュニケーションだし、それ故にまったく知りもしないで失礼しまくりなところもあるわけだが、僕はそういう素性を知らない状態でいろんな人と意見交換したり、時にはガチでやり合ったりもする。
どうもミクシィにメッセージをくれた方はある本の出版にかかわってるらしく、日記もそれ関連のものだった。
時を経て、マイミクのぱてんさんが、“秋ですもの!本読んどかないと。”というタイトルで日記を書いた。内容はこうである。
というわけで,
いよいよ明日10/3(金)リリース!どんなお話かって言うと,,
映画学校の卒業制作の題材にと、26年間生まれてこのかた会ったこともなく、詳しい事情を聞いたこともなかった親父の話を、
母親にはじめて問い糺したところ、判明したオドロキの事実。お袋(ミス長崎にもなった評判の美人)二十歳のときに、共同通信の記者に一目ぼれされ結婚。長男(俺の兄)をもうけるも、夫は記者を辞めてはじめた事業が失敗し失踪。お袋はキャバレーに勤めて子どもをやしなう。キャバレーに勤めていた時期に、常連客がつれてきた「親父」と知りあう。兄とともに実家に身を寄せていたお袋のものに、「親父」がころがりこんできて、俺が生まれる。
お袋と俺を残して親父は単身東京へ職探しに。職に就いたという親父をたよって 母子で上京するも、どうも様子がおかしい。ある夜親父に「出て行こうと考えているなら殺す」と包丁でおどされたお袋は、これはヤバいと感じ、親父から逃げ実家に戻る。その後警察から、親父を結婚詐欺の容疑で追っている旨の連絡。お袋もまた被害者の一人だとの見解を警察は示したきり、
親父がどうなったかは知らされることはなかった。家族は親父のことを忘れようと考え、息子の俺にもそのことは伏せておくことにした。
親父はいまどこでなにをしている?急遽結成された「親父さがしロードムービー」撮影隊による、詐欺師の親父の足跡をたどる珍道中を描くドキュメンタリー・ドラマ。
デカ、ヤクザ、親父と同業の小悪党らとのやりとりから、親父の被害者たる異母姉弟たちと出会う泣けるエンディングまで、一気に読ませるおもしろさ。
実話デスよ!!実話!!
実話でリアルに蒸発父さんスよ!!
皆さん,どうしますか?!
これを読まずに何を読みますか!ってんだ!!
日記を読んだ僕は率直にお、おもしろそう!!!!という感想を持った。そういえば、僕が本を読んだのはハインラインの『夏への扉』が最後だったなぁ、などと思い返しつつ、秋なんだから、読書の1つでもしておかないと、という妙な義務感にかられるのと同時に、『蒸発父さん』という本への興味は常に頭の片隅にあった。
そして、日々更新される日記を照らし合わせてみると、友人の家に居る時にマイミク申請してくれた人の内容と類似していて、ぱてんさんの日記にもその人のコメントなどがある。恐らくその人が関わってる本と同じようだ。『蒸発父さん』の作者は岸川真さん。んで、マイミク申請してくださった人も岸川さんという。
おや?もしや???
そう、この時に気づいたのだが、マイミク申請してくださったその人こそ『蒸発父さん』の作者である岸川真さんだったのだ。僕は、この妙な縁と、妙なタイミングに惹かれ、『蒸発父さん』をAmazonで注文する事にした。
僕はあまり本を読んでる方ではないと思う。好きな作家もかなり限られるうえに、海外文学はほとんど読んでないという体たらく。でも、そんな本をあまり読んでなくても、どういう本が自分にとって好きかという事はわかる。自分にとって、おもしろい本とは。
ツカミがおもしろい。
文章にスピード感がある。
小難しい言い回しや、ややこしい比喩などがない。
この3点にしぼられる。純文学であっても、村上春樹のように複雑な言葉の使い方をしていなければ好きになる。
『蒸発父さん』はこの3点すべてをクリアしている。単純にとにかくおもしろい。それだけでなく。ハッキリ言える事は、僕は岸川真さんの文章が好きだ。自分の身を削って、難しい言い回しを使用せず、ストレートにスピードと勢いで勝負してる気がする。まだチャプター3までしか読んでないが、これから先が非常に楽しみな作品だ。映画化も絶対になりそうな内容なのだ。
というわけで、本屋で『蒸発父さん-詐欺師のオヤジをさがしています』
を見かけたら、
即レジへGO!!!!