GReeeeNの『愛唄』に物申す

KELUN(当時UTARI名義)の名曲『シュナ』

「オレンジのライトが霧雨の中で凍えた二人を包む」という出だし一発のフレーズが秀逸。この場合のオレンジのライトは車のヘッドランプか?違う、夕焼けの色だ。なぜならば、Cメロで「夜が街を包んで 涙が星に変わる」と歌ってるからである。

『シュナ』は、雨が降り続いてる日、夕暮れから夜にかけて、部屋の中に二人で居るという歌。歌の中に出てくるのは男目線の優しさや感情。情報はそれしかないが、個人的な解釈をすると、この歌の中にあるものは、

女は別れようとしていて、女から別れ話を切り出したんだけど、それに耐えきれなくなって泣いてしまって、本当は男も泣きたいのだけれど、それを我慢して女の涙を男が拭っているという感じだ。「二人の張り裂けそうな心」と出てくるからそうだと思うが、「今はこのまま時よ止まってほしい」というのは、別れたくないとかそういう感情じゃないかと。サビで「君の痛みを分けておくれよ」と歌うが、これは別れたくない一心で男が言ってる精一杯の切り札というか(笑)

アルペジオからディストーションの効いたエモーショナルな音。アレンジからメロまで素晴らしいと思うが、歌詞も含めて、とにかく1曲の完成度が高い。

ただ、このブログを読んでる人でKELUNを知ってる人。そして『シュナ』を知ってる人はどれくらい居るだろうか?

今日はそんな話。

最近、GReeeeNの『愛唄』を聞いている。私はカラオケでキーが高い歌を歌って気持ちよくなりたい人なので、声が高いと言えばGReeeeNになるから、iPodに入れて聞いてるのだけど、

どうも、頭の中に入って行かないというか、覚えられないというか、

これすげぇ有名な曲で、恐らく、若い人だったら誰もが知ってる曲だろう。タイトルを知らなくても、口ずさめば、GReeeeNだ!というはずだ。

ただね、、、、、、

この歌さ、そこまで、言うほど良い曲じゃないよね?

いや、全然聞くよ。聞きますけど、手放しで絶賛するほどでもないでしょ。いや、これホントに。よーく、冷静に考えてみてよ。もちろん平均点高いし、極上のサウンドだと思うし、でも、言うほど突き抜けてないというか、あえて平均点狙ってますみたいな?いわゆる、R-15とかじゃなくて、誰もが楽しめるように作ってあるというか、

「愛してるだなんてクサいけどね だけどこの言葉以外伝える事が出来ない」って言いながら、「ただありがとうじゃ伝えきれない」って歌詞の整合性がないし、もう、何かを伝えるんだ!っていう意志がまったく感じられない。

今日の昼、ヒラシタの家でラジオ収録して、その時にも1時間近くその事を喋ったんだけど、その時に、二人でホントに偶然なんだけど、出て来たのが、

サザンの『TSUNAMI』ってあんなにメガヒットする歌か?

ぶっちゃけ『TSUNAMI』は良い曲だと思う。歌詞も桑田圭祐って感じだし、かんなりレベル高いし、サザンの中でもトップクラスの名曲なんだけどさ、

希望の轍』とか『旅姿六人衆』の方が良い曲じゃないかい?

ランキング作ったら『TSUNAMI』って17位とか、いっても11位とかだと思うんだけどなぁ。でも『旅姿六人衆』ってサザン好きを公言してる安部兄やんも知らなかったんだよね。いや、だからってオレもサザンをそこまで知ってるかといわれると、ぜんぜん知らないんだけど、

レミオロメンの『粉雪』も、ORANGE RANGEの『花』も、Aqua Timezの『決意の朝に』もいうほど良い曲じゃないというか、流れてくる分にはいいけど、買ってまで聞かないというか、

っていうか、音楽って高いよね。ぶっちゃけ、映画も1800円ってあり得ないけど、CDもさ、3000円って高すぎだと思うよ。んで、その3000円に見合うアルバムって今出てないでしょ。

はっきり言って、音楽が無いと生きて行けないってのはちゃんちゃらおかしい話で、無くなったら困るが、そこまで正座して、ぴしっとして聞くもんじゃない。モッズ達のように、ロックンロールをかけて、暴れ回るとか、通勤の途中とか、酒飲みながらとか、そういう、生活に添えてあるものでしょ。だからその曲に人生救われたっていうのはあり得なくて、自分が経験した事とシンクロするとか、その人の思想が分かるくらいのものだというか、

「音楽を守りたい」ってCMありましたけど、そんなCMは殺意すら覚えるっていうか、音楽を守りたいならば、もっと音楽を安くしろって言いたいですよ。

違法にダウンロード出来てしまうのは、今の音楽がそういうものだからでしょ。例えば、ラーメン一杯1000円以上だと高いって思うくせに、なぜアルバム1枚3000円が高いと思わないんだろうか。iPodの普及でCDが売れないって言ってるけど、違うよ、音楽のクオリティが下がってるのに、値段がそのまんまだからだよ、音楽に高い金を払う価値が無くなって来たんだよ。それは紅白のメンバーやレコ大の権威低下にもかかわってると思う。

奥田民生が『サウンド・オブ・ミュージック』で歌ってたもん。「たやすく手に入るぜ たとえばそのラジオで」って、音質だとか関係なく、良い音楽はやっぱり良いし、それは高い金を払わなくても、その辺にあるもんなんだよ。その歌の通り「なくなったら困るぜ」なのだが、生きてくうえで必要ないものなんだから、庶民の娯楽として、もっと手に入りやすいもんじゃないと困る。
まぁ、日本にはレンタルという制度があるからいいけど。

話を戻そう。ストレイテナーエルレが売れてるのに、なぜ藍坊主やKELUNがもっと売れないのか?

アンダーグラフの『ツバサ』は本当に良い曲だと思うし、確かに売れたけど、これはもっともっと売れても良い曲だと思う。それくらいのレベルに達してる曲だと思う。サビの転調とコード進行はジョン・レノンでも思いつかないくらいのトリッキーなもので、
この一曲で、彼らは天才だと分かるんだけど、それが伝わるとかその前にもっと、もっと売れるべきなんだよなぁ。

メガヒットになったシャ乱Qの『ズルイ女』だけど、ホントにそこまで良い曲だろうか?

これはあくまでホントにホントに個人的な意見なので、聞き流してくれてかまわないが、GReeeeNを知ってる人は多数居るけど、KELUNを知ってる人は少ないし、エルレガーデンが活動休止するとトピックが立つほどビッグニュースになるけど、P2Hが解散しても、オレなんて解散した事すら知らなかったくらいニュースにはならない。ましてやP2Hの児嶋亮介が新しいUTARIというバンドを組んで、それが改名してKELUNになった事など、まったく知らなかった。

今、売れてるとされる曲よりも良い曲はいくらでもあるし、「ここまで売れる曲ではないよなぁ」という曲も山ほどある。これはオレの勝手な意見なのだけれど、なぜこれが売れるんだ!?と嘆いたところで、日本のロックシーンは何も変わらないんだろう。今までもこれからも。

愛唄(あいうた)

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Astral Lamp

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