『ROOKIES』を観たよぉ。゚+.゚ヽ(●´ω`●)ノ。

妹がバイト先の後輩から『ROOKIES』のDVD-BOXを借りて来た、多分画像を見るにこれだと思う↓

ROOKIES (ルーキーズ) 裏(うら)BOX

ROOKIES (ルーキーズ) 裏(うら)BOX

観ようかなぁと思ってたら、おかんがリビングで全部観ていた。ぼくもリビングに降りる度に観てしまったのだが、感想を書くと……



みんなぁ☆『ROOKIES』って見てるぅ??

もうホントにさいこーだよねぇ☆ニコガクのメンバーに感動したぁ★☆

みんなイケメンばかりだしぃ★★イケメンを見てるだけで満足だよねぇ。゚+.゚ヽ(●´ω`●)ノ。

ワタシも試合を応援したかったよぉ(´・ω・`)

市原クンもかっこよかったし♪桐谷クンも可愛かった(´ω`)

あーゆー彼氏がワタシも欲しいなぁ♡

絶対に映画も観るよぉ★今から楽しみだよぉ(ノ)・ω・(ヾ)

めっちゃよかったよぉ〜 (*^o^*)ノ オススメです〜


――――っていうわけないだろ!!たわけ!!


ここからはまともに『ROOKIES』を観てない男が勝手にわーわー言います。なので「お前!ちゃんと観てないくせに勝手なこと言うな!」というツッコミはやめてねん!もう宣言してもんね!


ずばり『ROOKIES』だが、トンデモドラマだと思う。おかんも「これ毎週、一話ずつ観るからおもっしぇんであって、一気に観るとなーげーわー、審判がはよせーっていってるのに、全員でわーわーいってて、すすまねんだてー」と言ってたくらいだ。

ぼくが驚いたのは、登場人物が多いドラマなのに、一人一人に異常なほどスポットを当ててる点だ。

ところどころ観たので、どういうストーリーなのかは省くが、どーも、ここで点を決めると試合に勝てるという9回裏の大事な場面。バッターは高岡蒼甫だが、何故か彼が片手でバットを持って「秘技片手打ちじゃい!」とバッターボックスに入る。当然、タイムをかけて、仲間が「てめーどういうつもりだよ!!」とわらわらバッターボックスに集まって来る。まずこの時点で、いやいや!と思ったのだが、話を進めると、高岡蒼甫はどうも試合中に手を負傷したらしく、バットを握ることが出来ない。控えの選手がおらず、審判から「このままだと棄権になりますけど」と言われる。途方に暮れるニコガクナインたちだが、ニコガクナインを応援しているファンの間から割って城田優がスローモーションで現れた。

おかんによると城田優はいじけて野球部から抜けていたらしい。不良時代のミッチーみたいなもんだろう。仲間達はやっと現れたか!というような表情で城田を見つめるのだが、ここからがすごくて、「やっと来たか!」という表情を、わざわざ一人一人抜いて行くのだ!!それまでの高岡蒼甫のくだりもかなり時間たっぷりで、さらにスローモーションだけでもうっとうしいのに、そのあとに一人一人の表情をじっくり抜いていくとはうっとうしい!

おかんが「なーげーわー(長い)」と言ったのは、ドラマそのものが長いんじゃなくて、全員が集まってからの試合の一騒動が長いということだった。しかもこれにかぶさるのは、「ジャラララー♪」という例のあの音楽である。ちなみに物語が終盤になるとこれがGReeeeNに変わる。

シネマハスラー宇多丸師匠もおっしゃっていたが、その間はタイムしてるのであって、もし、話し合いうんぬんがリアルタイムであるならば、相手の選手はずーっと待ってることになる。ちばあきお先生の名作『キャプテン』読めば分かるけど、そんなことばっかりしてると「タイムばっかり取って、長い気がするんですけど」って言われちゃうよ!しかも高校野球ってタイム2回までらしいよ!(シネマハスラーで言ってた)

他のシーンにも言及すると、試合に勝ってからもすごかった。小出恵介がフィーチャーされた回だったかで、みんなが抱き合って感動してるところをやっぱりワンショットずつ抜いて行って、さらにそれをスローにする。あげくの果てに川藤も抜かれる。感動した他の先生も抜かれる。ラジオを聞いて感動した渡部篤郎も抜かれる。古谷一行も抜かれる……もういいわ!

ぼくがリビングに降りるたびに毎回この調子だったので、非常にうんざりしたのだが、川藤がニコガクを辞めるくだりもすごくて、先生の後ろ姿を生徒達が見つめるのだが、見つめるのも3人ずつ、ワンショットで抜き、さらに川藤が振り返って、振り返ってからのリアクションもわざわざ、ワンショットで抜いて行く――――ちょっと待て!万事この調子なのか???

しかも長いだけじゃない。役者たちは喜怒哀楽の演技が全部100%で笑うときは全力で笑い、怒るときは全力で怒る。市原隼人は何かしら「よっしゃー!」とか言ってる印象が強く、とにかく演出から演技まで、全てが熱い…いや、暑苦しいドラマなのである。

だが、よく考えてほしい。きょうび、ストーリーだとか、プロットの運びなど気にすることなく、イケメンにうっとりしてる人たちは、この熱さとかっこよさを求めてるのであって、これ以外はぶっちゃけ蛇足だと考えてるんじゃないのか?ここまで来ると試合するシーンすらいらないとまで思ってるんじゃないだろうか?『ROOKIES』とは、ジョン・ウーから銃撃戦と物語の発端部分を省略し、熱い男同士の友情だけをスローモーションで繋いだようなドラマなのだ。

ぼくも確かにカンフーとか2丁拳銃をバカスカ撃つシーンが長ければ長いほどテンションはあがるが、だからと言って、それだけしかないと困る。『ドラゴン怒りの鉄拳』だって、ブルース・リーがまとった怒りが無ければ、カタルシスにはならない。

もし『ROOKIES』に野球の要素を求めてるんであれば、観るのをやめた方が良い。まず全員野球がうまくない。ドラマの後半ではだいぶ素振りもうまくなってるが、最初の方はかなり酷い。ドラマとしてもかなり歪な作品だと思う。何故ならイケメンたちが全力で泣いて笑い、抱き合ってる描写を必要以上に映し続けるからだ。

もしかしたら、今後、悪そうなイケメンが勢揃いするドラマはこのパターンで作られる可能性もある。『ROOKIES』はこれからのドラマの作り方をがらりと変えた金字塔として輝き続けるかもしれない。そういった意味で必見だ。夢にきらめけ!明日にときめけ!あういぇ。