さしこのくせに……


昨日の「なるハイSP」*1が結構おもしろかった。

そもそもこの番組は川越シェフの料理に頼りっきりなところがあり、基本的にはコンセプトもよーわからず、番組自体がまったくおもしろくないので、毎回視聴率が悪いのも頷けるわけだが、昨日はダブルひな壇による元アイドルと現役アイドルであるAKB48トークバトルというこれ以上ない企画だった。

企画自体は今流行りの元アイドルによる暴露合戦で、それにAKBが乗っかるという形だったわけだが、その中で「さしこ」こと指原莉乃がとても良い仕事をしていて驚いてしまった。ロンブー淳という絶大な仕切りのプロフェッショナルがいる中、なんと指原莉乃がひな壇を裏まわししていたのである。

二つひな壇があった故のポジションだったのだろうが、人数が多いAKBのメンバーを把握しているのが彼女だけなので、淳が「AKBでは○○してる人とかいるの?」と振ると、さしこが「AKBだったら○○ちゃんとかがやっぱり当てはまりますかね」と上手い具合に進行を補佐していた。番組は後半おねぇ系とのトークバトルになったのだが、そっちでもAKB側は指原が、おねえ側はミッツ・マングローブが回すという形で番組は進行していた。

そもそもこの指原莉乃という人物は毎回ホームでは強く、アウェーでは実力を発揮出来ないタイプだったので、自分の番組である「なるハイ」でこれくらいのことは出来て当然というところもあるのだが、元々大所帯であるAKBでも司会進行を勤めることが多かった彼女だけに、どのタイミングでどう出ればいいのかというのが自然と身に付いていたのだろう。ぶっちゃけここまでの成長をとげているとは思わなかった。今までは「頭の回転が早い」とか「語彙が豊富」とか「しゃべりが達者」というのは同じバラエティー班である峯岸みなみだったが、今回は完全におねぇ系にブサイクとしてイジられる扱いであり、どっちかというとヘタレへタレでイジられることの多かった指原といつの間にか立場が逆転していた。

今思い返せば、指原莉乃の単独番組である「さしこのくせに」はバラエティーの教科書を土田晃之指原莉乃に叩き込むというような節があった。本来はAKBに入っていなければ人間として欠落している指原莉乃を一流のアイドルとして育てるというのがコンセプトだったように思うが、ユーティリティープレイヤーとして広く活躍する土田晃之ならではの直接的な説教もあり「ゲストがコメントを言う前の間で喋るな」とか、かなり具体的なことを言っていて、ぼくは逆にそこがおもしろいなぁと思った。そこでの経験が活きているということになる。

「なるハイSP」の中で元アイドルの人たちが「ブームは必ず去る、もしAKBという肩書きがなくなったら見向きもされなくなる」と語っていて、その肩書きが取れてから彼女たちはどうなるのだろうという懸念はあったが、指原莉乃に関しては、「さんま御殿」でも踊るヒット賞を何回か獲ったりしているし、今回のポジションを見る限り、うまくいけば案外息の長いタレントになるのではないかなと少しだけ思った。

それにしても、昨日のおねぇパートの企画。整形にかかった費用ランキングとか板野友美の前でやるのはやめてあげてー!!!

*1:なるほどハイスクールAKB48をメインにロンブー淳がMCを勤め、テリー伊藤ご意見番として登場し、さらにピースの二人が補佐を務める番組。当初はあき竹城とのレギュラーであったが、途中から見る影もなくなった。